テナ さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
僕達のバスケだ!
ウィンターカップの準決勝からのスタートとなる今作
【緑間真太郎】
今回、VS洛山で見せた連携技は凄かったですね。
アレは最強の武器になりましたが、アレが緑間が変わった成果なのでしょうね。
自分のシュートだけを信じていた彼には出来なかった。
黒子と出会ったから仲間へ信じてパスする事が出来て、仲間からパスのも信用出来る様になった彼だから出来る連携なのでしょうね。
【黄瀬涼太】
1番、成長したのは彼でしょうか。
彼はパーフェクトコピーを完成させた。
奇跡の世代だけではなく、彼に出来なかった黒子のコピーまでも……
イグナイトパスはミスディレクションを使わないから大丈夫としも、ファントムシュートは凄いですね。
ファントムシュートはコピーとは少し違い自分なりのファントムシュートに仕上げて来ました。
結局、黒子も海上に勝てたものの黄瀬涼太は攻略出来ないレベルまで彼は成長しました。
【帝光中学バスケ部】
黒子の回想ですね。
奇跡の世代は普通のチームだった。
でも、能力が開花すると関係性に日々が入ります。
狂い始めたのは監督代理の言葉……
自分が強すぎるからバスケを楽しめなくなる……それでも、練習を頑張っていた。
でも、青峰な強すぎて練習相手が青峰の相手として不足する。
相手は青峰を止めようと頑張るも無理だからと諦め半分に練習する事が許せなくて、注意するも解って貰えなくて、イライラして練習を途中で抜けてしまう。
彼は反省した。
練習を勝手に切り上げた事やサボってしまった事を……だから練習に戻らなければと考えるも追いかけて来た監督は「練習には参加しなくていいから試合には出て欲しい」って言葉。
当日、奇跡の世代は有名で理事長?に奇跡の世代を試合に出して学校の評判を上げろと言われていたのです。
だから、青峰が試合に出なくなったり退部したりするのを恐れた監督が出した言葉だった。
監督も後悔はしていたけど……
最低の言葉です。
青峰の立場に立つと、怒って欲しいって思う。
練習をしろ!サボるな!と……怒られたら謝罪の一言で練習に戻りやすいし、何よりトラブルを起こしたタイミングで練習に出ないでいいなんて、自分は練習に必要ないって見放された感じがする……トラブル起こしたから面倒だから試合にだけ出ろと言われているようで、自分はそれ以外必要ないと言われてる様で……
後から黒子が駆けつけるも青峰は色々な悩みに押しつぶされていて……練習に来なくなる。
一方、奇跡の世代の面々も試合に出ればいいなら練習しないでいいと考え始める。
後に緑間と主将の赤司しか練習に顔を出さなくなる。
そんな中、黒子とさつきは奇跡の世代がバラバラになっていく事に寂しさを感じていたのですが、現実になる……
さつきの「皆、バスケットが大好きで、これからもずっと仲良く一緒にやっていけるよね?」と言う不安や願いなど様々な言葉に黒子は「はい、ずっと一緒です」と最初は笑顔で答えてましたが……
青峰を説得出来なかった黒子は赤司から「青峰は諦めろ」「練習にはでなくていい」「奇跡の世代にチームプレーは必要ないと」言われて心を折られてしまい……彼は大好きだったバスケットが解らなくなってしまう。
そして、さつきは黒子への「前に私が言った事憶えてる?」って質問に黒子は「いぇ、すみません……ちょっと憶えてません」と回答した。
さつきには衝撃的だった。
黒子が憶えてないと嘘をついたのを見抜いてしまったからです。
あんなに皆と一緒である事を求め続けた彼が……奇跡の世代がずっと一緒にいる事を忘れた事にして諦めようとしてる事に……
さつきには、黒子は希望だった。
彼が奇跡の世代をパスで繋いでくれていたように、彼がずっと一緒にいられるようにパスを繋いでくれそうな気がしていたのかもしれません。
だから、大丈夫……黒子が居てくれたらと考えていたのかもしれません。
帰り道、黒子の背中を見た彼女は涙を流す。
黒子の背中の隣にはいつも奇跡の世代達が歩いていて……でも、今は黒子1人で、彼が諦めてしまったら本当にあの懐かしくて楽しかった光景は二度と無いのだと実感してしまった。
そんな中奇跡の世代は……
試合でも相手に張り合いがなく退屈だと対戦チームと戦うのではなく相手を無視して、同じチームが1人で試合中何点奪えるかと言うゲームを始める。
対戦相手からみたらこんな屈辱はないですよね。
でも、彼らはそれでモチベーションを上げるしかなかった……そうしないと張り合いがない……バスケが楽しめない……
そうして、彼らはバラバラになっていく。
チームプレーなどしないバスケットボール。
そんな時に偶然、黒子は誠凛の試合を見る。
誠凛の試合はバスケットが大好きな気持ちが伝わるチームだった。
それは奇跡の世代には既に失われたものであり黒子が大好きだったバスケットをしているチームでした。
黒子が誠凛を選んだ答えがここにある訳です。
黒子には別のチームに友達がいました。
友達の荻原くんは中学に上がる前に高校でバスケットの試合をしようと約束した友達。
そんな友達と決勝で戦える!
そんな時に黒子は怪我で試合に出れなかった。
なので、黒子は赤司に言います。
「決勝は本気でやってください」と……しかし彼は黒子との約束を破りました。
試合は奇跡の世代のお遊びだった。
111対11
萩原くんのチームは負けが決まっても諦めませんでした。
頑張って最後まて点を取り続けた。
でも、この数字……奇跡の世代は得点数をゾロ目にする為にあえてシュートさせて点数を与えていたのでした。
彼らは全中三連覇しました。
その勝利は奇跡の世代に当たり前で勝利は形だけのもの……黒子に友達との約束を踏みにじって得た勝利の中には心の痛みと苦しみ……そして後悔と悲し涙しかない……勝利とはなんなのか……解らなくなる。
黒子は奇跡の世代に意見するけど何も伝わらなくて……青峰の「なんで、強い方が試合を楽しんしゃいけねーだ?」ってのが1番キツいかな……
試合を楽しむのは全然いいけど、楽しみ方が問題で相手を不快にさせるような楽しみ方は違うって思う。
でも、青峰を始め奇跡の世代ってそうでしかバスケットを楽しむことが出来なくなった人達なんですよね。
青峰達が悩んだ事を知ってるからあまり強くも言えなくて黒子には1つの道しか選べなくなる……バスケットを辞める。
後に黒子は萩原くんの学校を訪れます。
多分、謝りたかったでも彼は転校しバスケットも辞めてしまった。
その話を荻原くんのチームメイトから聞かされる。
でも、萩原君は黒子も奇跡の世代と同じ目をしていたと言ってたそうです。
知らずのうちに黒子も彼らのようになりつつあった。
しかし、黒子の目には暖かさが残ってたと……
だから、辞めないで欲しいと言われ彼は立ち上がります。
黒子の大好きなバスケットボールは誰かを辞めさせる様なものじゃない。
彼は理不尽によくぶつかりにいきます。
それは、この帝光中の件があるからでしょうね。
彼は思い出したのです。
黒子のバスケを
【赤司征十郎】
奇跡の世代の主将。
アンクルブレイクとエンペラーアイを使う彼の実力は圧倒的ですね。
他の奇跡の世代は、基本は自分のみを信じているのでパスや連携はしませんが赤司はパスをするし連携も繋ぎます。
彼も他の奇跡の世代同様、1人で動く方が強いのですが仲間を使います。
彼からすれば、赤司征十郎が1人で動けば圧倒的だけど、それでは面白くないからです。
仲間を信用してる訳じゃない。
仲間を使ってるだけなのです。
だから、仲間に出番も作るしパスも出す。
だから、仲間に嫌気が刺したら仲間を利用する形に変更しゾーンに入り1人で戦う。
赤司が1人でバスケットをすれば全員で戦うよりも効率的で圧倒的だからです。
「赤司征十郎は2人いる」
彼は赤司征十郎が産んだ赤司征十郎の2つ目の人格。
赤司征十郎は大きな家の産まれで、小さい頃から厳しい父から沢山の英才教育を受けさせられて負けを許されない彼は、それがプレッシャーになっていた。
しかし、赤司征十郎の心を守っていたのは、母が作ってくれた大好きなバスケットする時間でした。
でも、母を病気で失い父の教育は更にエスカレートしバスケットで先に開花した奇跡の世代の紫原に負けそうになった事で、心が壊れそうになり心を守る為に産まれたのが、もぅ1人の赤司征十郎。
えっと、赤司の気持ちって凄く解ります。
習い事ってダルいです……
自分が好きならいいのですが、好きでもない習い事程屈辱はありません。
私も硬筆、毛筆、塾、水泳を習わされました。
私の場合は字が上手くなかったり、水が怖かったりしたらから苦手を潰す為にやらされましたが、勿論苦手な事だし、やりたくない事だからキツくて……辞めたくても辞めさせて貰えないし、時々は通うフリをしてサボりもしました。
めちゃくちゃ怒られました。
それでも、嫌なものは嫌でした。
きっと赤司は私よりもそうした時間が長かっただろうし習いたくない事の積み重ねやプレッシャーに押しつぶされそうになったんだと思います。
きっと心が限界だったんです。
だから、もぅ1人の赤司征十郎が産まれた。
しかし、そんな赤司征十郎は火神と黒子の連携に敗れる……
そして、本当の赤司征十郎が顔を出す。
彼の力は、アンクルブレイクと仲間の制度を上げていくパス。
仲間と協力する事で強くなる力。
まさに主将らしい力だと思います。
この赤司の能力もパスを必要な奇跡の世代には必要がなくなりエンペラーアイの赤司征十郎が必要とされて産まれたのかもしれませんね。
彼の力で洛山は全員がゾーンレベルの力を発揮し始める。
本来の赤司征十郎が目を覚ました事で試合は一転する。
【火神大我】
彼はやはり誠凛のエースですね。
最初からゾーンに入ってチームに勢いをつけたり最後のゾーンの扉の先……
1人では開く事がない扉、奇跡の世代では絶対に開けない扉を彼は仲間との絆で開ける。
それは、1人の力の限界を意味し仲間と力を合わせる事で無限の可能性を開く事ができる。
自分の力に溺れずに仲間の力を信じるから開けた扉……
ゾーンの更に奥の力、ダイレクトドライブ。
奇跡の世代を超えた瞬間でした。
でも、私が火神をエースだと思った1番の理由は、圧倒的な力差があろうと最後まで食らいつくし、「俺に任せてもらえませんか?」って言葉1つで全員が迷いなく火神に託す場面や仲間を信じて頼れる強さがあるからです。
そこが1番エースらしいかな?って。
【黒子テツヤ】
彼は主人公であり影の存在です。
でも、誰よりも観察力が優れて居て、海上でも洛山でもピンチを救う案をだしキッカケを作るのは黒子でした。
最後は黒子だから出来る仲間の未来を予測する擬似エンペラーアイも生み出しました。
そうして、最後まで彼は影を貫き通しましたね。
そんな彼でも、諦めてしまいそうな場面がありました。
それでも、彼を応援してくれる言葉がありました。
その人は、帝光中時代にバスケットを辞めてしまった荻原君だった。
彼はバスケットを再びはじめた事を伝えに応援してくれた。
彼の「ガンバレ!」を初め奇跡の世代もそして開場の観客も誠凛を応援してくれる。
スタミナなんて底をついた誠凛のメンバーは応援で力が漲る。
応援は力になります。
でも、応援があるから100%勝てるなんて事もないです。
体力が回復する事もありません。
でも、頑張ろうって思う。
凄く嬉しいって思うし、まだやれそうだと思える。改めて勝ちたいって思うし気分が乗ってくる……少なくとも諦めようとした気持ちを吹っ飛ばしてくれる!
心が元気になる!
だから、勝利の道を切り開ける気がしてくる。
応援には、そうした不思議な力があります。
黒子はその応援で頑張ろうと思えた。
いつも、パスをしていた黒子が応援と言うパスを受け取った瞬間でした。
そうして決着が付く。
【最後に】
この作品はホントによく出来てます。
キャラの心情もよく描けてるし、1度目では止めどないセリフにも後々考えると深い意味がある言葉があり、その言葉が伏線になってる事に気づけたりしますし、見るほど味が出る作品です。
バスケットもしっかりして、よく動くし迫力や臨場感もしっかり伝わります。
黒子は帝光中時代、全中三連覇を果たしました。
しかし、その優勝で味わった勝利は黒子にとって苦いものであり勝利の意味を見失った。
だから、奇跡の世代を倒し仲間と協力して全国優勝して勝利する事で本当の勝利とは果たして苦いものなのかを確かめる事こそが黒子のバスケであり、同じ勝利でも嬉しい勝利なのか心から笑える勝利なのかを確かめる為の物語です。
全中三連覇にはなかった勝利の意味を確かめる物語なのかな?と思いました。
黒子が勝利する事で、奇跡の世代に敗北の意味や勝利の意味を教える物語なのかもしれません。