てとてと さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
中国民話の3DCGアニメ映画第一弾。人間と妖怪が障害乗り越える悲恋系+中華魔術バトル
中国のアニメ会社とアメリカのワーナーブラザーズの合作3DCGアニメ。99分。(次回予告諸々含めれば106分)
唐末期が舞台で、記憶喪失の蛇妖怪(見た目美少女)と人間の青年が恋をするが、邪悪な人間の仙人?と蛇妖怪の親玉どちらからも妨害される感じ。
【良い点】
異種族恋愛、立場の壁で引き裂かれるなど、ラブロマンスとして普遍的なツボを押さえている。
ロミオとジュリエット的(ロミオの方は村人Aだけど)、ベタではあるが分かり易い。
民話の異種族恋愛は日本人にも親しみやすい。転生して再開するオチもベタだが手堅い。
ヒロインの立ち位置は記憶喪失のジュリエットであり、デビルマンぽさも。
古代中国舞台のファンタジーならではの風情や道教系仙術?飛び交うのもエンタメ性高い。
仙術バトルアクションの迫力と外連味は抜群。
米中合作の3DCGがハイクオリティー、目まぐるしく動き目が離せない。
日本語版の豪華声優陣。主人公役の佐久間大介氏は本職ではないが申し分なし。
主人公の裏表の無い一途さ。
ヒロインが妖怪であれ偏見なく接する、彼女のためなら躊躇なく人間捨てる、拘りが無いタイプは結構珍しい。
力は乏しいが一途に頑張って彼女を救った、これは惚れる。
犬のハラマキ(杉田ボイスで喋る)がコメディー要員で楽しい。
妖艶なネコ妖怪の禍々しくも妖しい魅力もよかった。
ヒロインの妹の百合ヤンデレも。
【悪い点】
ストーリーは分かり易いし手堅いんだけど、終始目まぐるしくて余韻感じる余裕が無い。
交流掘り下げが丁寧に見えて、浅い。
主人公の信念が最初から完成されていて最後まで揺らがない為か、一見波乱万丈に見えて淡泊。
状況に流されるまま淡々と進行する感じ。
ヒロインもアイディンティティーを揺さぶられ苦悩するのは分かり易いが、進行が急で余韻が無い。
総じて情熱的なシチュエーションなはずなのにキャラの心情が淡泊に見える。
キャラが脚本に動かされている感じ。(キャラ評価3)
人間側の悪党と妖怪側の悪党の抗争に巻き込まれる感じ、仙術バトルは凄いんだけど、主人公ヒロインそっちのけが多い。
双方の目的は分り易いが、恋愛劇にあまり関係が無く、引き延ばしでテンポ悪く感じる。
それ以外でも妹ちゃんの、アーシェスネイがアビゲイルにかけられた呪い的な制約がなりゆきで解除される辺りも雑。
他にも制約があまり葛藤を生まない作劇多くて、そこも淡白に感じる要因。
時を超えた愛が終盤ダイジェスト。
壮大なロマンスなのは分かり易いが、分かり易いのと感動的なのはちょっと違う。
キャラデザが好みじゃない。(作画4.5→4)
こればかりは好みの問題でしゃーない。ピクサー的なのは嫌いなので。
【総合評価】6~5点
文句なしのハイクオリティーで脚本も手堅い割に、そこそこ面白いに留まる。
うまく説明できないが、キャラ萌え重視の日本アニメの楽しみ方とは異質な気がする。
これは自分が中国&アメリカアニメに不慣れなだけかもしれない。
評価は程々に「良い」