カリウム さんの感想・評価
2.9
物語 : 2.0
作画 : 4.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 2.0
状態:観終わった
「チッ(舌打ち)」(作中引用)
多くの人が知っているであろう初代ガンダムの、その中でも多くの人が忘れているであろう「ククルス・ドアンの島」の回。パリコレモデルびっくりの超スリムなザクが登場したり、かの有名な『ムンクの叫び』の如く顔の細いガンダムが登場したりと作画崩壊が顕著にあらわれた回でありつつも、ストーリーとしては“武器を棄てる”という戦争において今でも通じる重要なテーマを扱っていたと記憶しています。そのリメイクとして作られたのが本作でした。
最初に結論を言うと、私にとってこの映画版は不評でした。恐らく、この映画は賛否が大きく別れます。
最初に良い点として、作画が綺麗になった点があげられます。アニメ版のリメイクとして、この点は誰もが感じる非常に良いのではないでしょうか。その他に、賛否は分かれると思いますが子供の数を増やし描写も多く描かれていた点もリメイクとして私は良い点なのではないかと思います。
次に良くない点です。私が結果として不評に感じた理由として、多くの描写の違和感があったからだと思います。以下、箇条書き。
・島や小さな畑の割にはドアンと子供達のあまりにも豪華なご飯
・ドアン自体の描写不足
・戦場に同行するフラウボゥと子供達
・核ミサイルを一人に任せたジオン
・MS戦のあまりにも生身の人間っぽい描写(切られた腕を痛そうに押さえているなど)
・終盤のヤギ(これだけは許せない)……など
これに加えて、私自身はオリジンシリーズの人物の過剰な演技(オーバーリアクション)が苦手だったのですが、本作品でもオリジンと同じくらいかそれ以上の過剰な演技があり、それが苦手な方はこれも違和感の大きな要因になると思います。
他にも、そもそも一律1900円であることや、細かいセリフの違和感など言いたいことはありますが、以上のことが特に重要であると感じた点です。
このように、初代ガンダムの「ククルス・ドアンの島」のリメイクとしては良作と言えますが、1つの作品としては良い出来とはとても言えない作品でした。