ゲリオ さんの感想・評価
3.4
物語 : 1.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
変なアニメだったが応援はしたい
歌を題材にしたミュージカル調アニメ。
自分的には見て良かったと思ってるが人にはお勧めしにくい。
際立った長所も沢山あったけれど、全話視聴後にこのアニメが面白かったと本音で言えるのかと問われると非常に答え難く、評価や感想を書くのに非常に困るタイプの作品。
まず、作中のテーマとなる設定に1話から衝撃を覚える。
現代日本と同一の社会でありながら、「歌」が西洋医学や東洋医学と並ぶ第三の医学「ヒーラー」として存在する奇妙な世界観。
歌による治療効果が精神的なものか物理的にも作用するのか、途中までよく分からなかったが、どうやら高位なヒーラーなら物理的に傷や病気を治すことも可能なようだ。
明らかに非科学的なファンタジー要素なのに舞台設定が現代社会のままという違和感は半端ない。
加えてこの布1枚の宗教チックな正装。これでも色々なとこチラ見させてそうだが、患者の前に出ないバックステージにおける服はさらにエチエチで、肩の紐解いたら全裸になる感じの制服を少女に着させている。とても医療機関とは思えないいかがわしさ。
そして当然ミュージカルアニメなので突然歌い出す。カオス。
序盤切り覚悟だったつもりが結局最後まで見てしまった。
第4話、手術室で歌い出すという普通に考えて邪魔にも程がある光景はシュールを極めた。
第7話のバンド回はこれのどこが医療作品なんだと突っ込みを入れざるいられない。
第8話ではメイドさんとの感動の別れに1話を費やしたのにもかかわらず、Cパートで結局戻ってくるとかズゴーとしか言えん。
そんなんが続いてたら自分の頭が洗脳されてしまったのか、いつの間にかハマってしまう中毒性があり、何気に瞬間最大風速なら今期アニメトップを取った週もあった気がする。
しかしながら終盤に行くにつれて山場の事件が起きるのかと思いきや、特に何もなく終わりを迎えてしまったのは拍子抜けだった。
特に最終回さぁ、せっかく海外で災害に遭遇するイベントがあったんだから、あそこで何らかのドラマを挿し込んじゃダメだったんかな?飛行機の女児救出イベは最終回としては弱い(師匠の過去と繋げる役割は果たしたが)。
なんつーかラスト3話はなくても良かったのではないかくらいの中身の薄さ。
いや、むしろ全12話なくても良かったのでは…(笑)
はい。内容的にはそんくらいヘンテコなアニメだったとしか伝えようがないのです。
こう書くとただのアンチレビューみたいになってしまうのだけれど、本当に感想が難しい作品なのだ。
奇怪な世界観に一瞬惹かれつつも、ふと我に返るとなんやこのストーリーって…
最後に良かった点も少し述べるが、まずは安定した作画が挙げられる。
おそらくかなり前から完パケ済みのアニメだったのだろう、終始丁寧な作りだった。
原画が一人担当回が幾度かあったこともSNSで話題に。それだけ余裕があった制作現場だったということかな。コストやリスクを度外視したアニメだったからこそ挑戦できた取り組みなのかもしれない。
ソーニャのロシア料理推しはちょっと時期が悪く、リアタイで制作したアニメだったら設定変えてたかもね。
あとはアニメの元ネタが"声優ユニット"ということもあって、歌は上手だったと思う。
演技力も最初は「ん?」って思ったが最低限は全然クリアしているので直ぐに慣れた(ナナニジという地獄を経験したから全然余裕)。
純粋なアイドル売りではない、この歌唱力を強みとしたヒーラー・ガールという特異なコンテンツでどういう風に今後売り出すのか、彼女たちの活躍を生暖かい目で見守りたい。
…が、今年のライブの予定とか無さそうでなんか。。。。
いやいや、このまま消滅なんてのは辛いぞ!頑張ってくれ~!