退会済のユーザー さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
【更新】美しい海と海洋生物と友情を描いた秀作…これは心を紡ぐ物語
沖縄を舞台に、水族館と生き物が大好きな女の子が孤軍奮闘!夢を諦めない!2021年、PA.Wオリジナル制作の渾身の秀作。
【前フリです】
本作の評価は総じて低め。それはPA.Wがオリジナル、小説原作で脚本をたて、描く地域もローカルに拘り続けた結果ハズレ…を連発しファンをがっかりさせまくって来た結果でもある。以後、日本経済の世情もあり企業として立ち行かない危機感を抱き、次節、ついに漫画原作「パリピ孔明」の制作が決まっていた中「私達は諦めてない」とメッセージを込めた作品だと思っている。そして、これは紛れもなく「はたらく女の子シリーズ第4弾」なのだ。PA.Wの心情は、実はパリピ~の中で語られている。好きな事をずっと続けてゆく為には、知力、体力、財力が必須なのだと…。それは企業でも同様である…と。
【本編について】
先ず作画は素晴らしく、キャラ、ストーリー共に優れた良作です。ただ…まとまり感はあるのにメインテーマが解りにくいと感じた。はたらく女の子シリーズとして観てもメインキャラの成長感が尻切れで…。矛盾、無理も多い様だと。沖縄の小さな水族館とはいえ、現役のJKが館長代理のキャラ設定は…。後に、くくるの生い立ちが明らかにされ、お爺がしっかりバックにいるぜ!を前提にしてもだ…。
物語は経営者のお爺が閉館を決定し、その手筈も進めている沖縄の小さな水族館を舞台に始まる。お爺の孫であるJK(卒業後は社会人)、海咲野くくる(みさきのくくる)が元アイドルの宮沢風花(みやざわふうか)と出会い、お互いの育った背景、心情、友情を丁寧に描きつつ、夢を諦めず友情パワーと周囲の助けを得ながら、挫折を乗り越え目標に向かって歩んでゆく、笑いと涙と夢と現実の違いの切なさを美しく表現している。ストーリーは破綻せず完結し、ラストも良く、PA.Wらしい当時を彷彿とさせる力作だ。でも、これは何をテーマに描きたかったのか?推すポイントが定まらない。コンセプトやキーワードは解るのに…だ。それでも、くくるが新しい職場で悪戦苦闘しつつも、結婚プランナーに企画プレゼンし、素晴らしい演出を成功させるラストは感動できる。
【後書き】
時期的に、パリピと2ラインで進めていたのだろう。もしや、それが双方に影響を与えてしまったのかもしれない。前作の神様に~、A3との制作時期も近い。本作中でくくるの迷走っぷりが可愛らしく描かれているが、それはPA.W自体が迷走中?だからかもしれないとも感じた…。それでもPA.Wらしい作品を期待せずにはいられない…好きだから…。
【2022年7月26日 更新・追伸】
私事でレビューを変えるのは反則かもしれません…。先日、母の三回忌でした。コロナとか諸々で2年も遅れて、私と姉夫婦だけの静かな法要でした。酷暑で汗だくになりながらも住職は墓前で丁寧に祈ってくださいました。私も手を合わせた時、ふっと思ったのです…誰かを想う気持ち・心は時を超えてずっと引き継がれて行くんだなぁ…と…。
自宅に帰り、ふと頭に浮かんだのは「くくる」でした…。ただがむしゃらに、ひたむきに自分の思いを貫く彼女を支えた沢山の人達…。人は多分…1人では生きられないのです…。目標や強い想いを持った人…胸に秘め進もうとあがく人…それは全部が叶えられないかもしれません…でも、そうして進む未来に・想い・願い・心が紡がれて世界は生きている・繋がっているのだと…。
観なおして…くくるの想いと、このも物語に込められた本当のメッセージに涙が止まりませんでした…。キジムナーとの縁は分からないけど、私達の日常は「お陰様」がきっと支えになっていると。それは、ずっとずっと長い時を経て紡がれてきた想いの結晶なのです...。努力・一生懸命・頑張る・ひたむきに前を向いて…それは、その時直ぐに実らなくても、いつか花咲く糧となるのです…。「なんくるないさぁ~!」