御宅忍者 さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
鈴木雅之 / 違う、そうじゃない (1994)
1,2,3期を踏まえた劇場版になります。ここまで良い意味で変わらず進んできた高木さんシリーズ。初の劇場版ということで、ある程度この2人の関係性は進歩するのではないかと期待に胸を膨らませていました。しかし結論から言うと凄く残念。
今作は「中3最後の夏」というものを舞台に構成されており、劇場版ではあるが、良い意味でTVシリーズと変わらない空気感を期待されていた方もいると思います。その空気感とは?そう、『からかい上手の高木さん』でございます。からかい上手の高木さんが不意に見せる痺れるギャップ。劇場版とは言え高木さんにニヤニヤしたいという思いで劇場に足を運んだ方も多いのではないでしょうか。しかし残念なことに、これといったシーンはありません。要所要所そのような描写はあるが、どれも既視感があるものばかりであり、「コレジャナイ」感を抱いた人は一定数いたのではないでしょうか。
先程もご紹介した通り中学最後の夏が舞台になっています。序盤で友人から「高木さんへの気持ちに決着をつけろ!」と圧をかけられる描写があるのですが、本当にその通りにした方が良かった。高木さんというストーリーで1番難しいのがケジメ。告白、付き合う描写はありそうで無い、しかし将来は結婚して子供もいる。このモヤモヤ感を楽しむ作品と解釈している方もいます。ですが、劇場版にするならここのケジメをしっかりとつけた方が大いに盛り上がっていたと思う。
そして今回、お涙頂戴要因として登場するのが『ハナ』という野良猫。中盤は主にこの猫との日々を楽しむ様子が描かれるが、この展開が本当にいらなかった。個人的に胸に刺さるものはなかったし、展開のオチも予想通りであった。高木さんが飼おうとした瞬間に悪意のない子供にNTRされ、高木さん号泣。う〜ん。私が見たいのはこのような展開じゃないんです。泣いてる高木さんなんて見たくないんです。 西片が純粋に高木さんのために頑張り、それを高木さんがしっかりと受け止めてあげる。これが見たかったんです。猫をダシに関係性を育むことではないんです。