退会済のユーザー さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
好き!を仕事にできるたら幸せ!アニメ制作現場の群像劇
PA.W絶好調!時期の2014年、花咲くいろはに継ぐはたらく女の子シリーズ第2弾!PA.W完全オリジナルで2クール全24話。2020年に劇場版公開作品。キャラデザや作画は好みが別れるかなぁ…?ストーリー(脚本)はほぼ次話に続く流れで「好きを仕事にするってすっごく難しいし、出来ても幸せばかりじゃ無いぞ!若人よ心せよ!けど、そこは好き!をパワーにできる頑張れ!The20代!」的かな?。
【前フリです】
私リアルでTV局、業界に絡んだ仕事してて生のドラマや映画を見疲れし、リアルでも少しメンタル下がり気味だった時「これ観てみたら」と妻に勧められた作品で、社会人経験の長めの方は、自分の職場の事と重ねて見ちゃうかもね。
【本編について】
Shirobako (白箱)?完成した初回の映像作品を収めたテープ(今ならデジタルディスク)やん?初手の出だしが「なに?JKの学園もの?」と…。
がっ!出るわ出るわ!エヴァの庵野さんをはじめ、声優さんとか実名は流石に出ないけど、宝探しっぽいのも見所!リアルなアニメ業界完全モチーフ。あっ、これはあの制作会社だな…とか、作画の工程ってこんなに複雑なのか!とかアニメ業界丸わかりマニュアル!デジタル化やCG化の流れもテーマにして、手描きとデジタル論争も。原作あると楽そうだけど実はどれだけ難しいか?も鋭く描き、うりゃ!ちゃぶ台返しだぜ!連発!(原作者からのダメ出し場面ね)1から作り直しだぜ…泣けるわなぁ…。アニメってこうやって作るんかぁ…と再認識出来る秀作。メインストーリーは高校でアニメ同好会JKが「いつかこのメンバーでアニメ作ろうね!」って夢を抱いて卒業し、いざアニメ業界へ!主演の宮森あおい他、サブキャラ(基本、群像劇なので)のあだ名やもャラ設定も濃くて面白い。リアルに「私達、こうやって作品を送り出してるのよ」ってすごく伝わる。仕事、会社、組織とかを全く知らないと「ふ~ん…」ってなるかなぁ…。でも、あおいを中心にJK当時の仲間達が「アニメ愛してる!」の夢を諦めず、壁にぶち当たって悩み、苦しみ、挫折しながらも諦めずに成長してゆく様を丁寧に描いており、そこに共感出来れば好きになれる作品。そして、よりアニメ制作をリアルに描くために、作中で2本のアニメが作られていきます。
【余談】
私が高校生の時のコンピューターにはアニメ制作出来るアプリなんて無くて、ポリゴンで線を重ねて2次元化してたんよ。それが今ではモーションキャプチャで撮影した動きを、好きなキャラデザに乗っけてバリバリ動かせるってすごい時代になったもんだ。
【本編続き】
本作は技術面ではその中間かな。3DCGの描き方、一昔前のセル画の話し、キャラの動きや仕草、表情に声を当てる難しさなどなどリアル且つ丁寧に描いてる。一番好きなシーンは、あおいの友人で声優志望の坂木しずか(通称ヅカちゃん)が、あおいの制作会社が手がける作品に声優として抜擢され、収録スタジオで、あおいは初めてそれを知り、演技を観て台本に涙をこぼす…。あれはグッとくる。笑えるのは、アニメあるあるだけど、あおいの運転する社用車(あおい運転半端なくうまい!総務担当の興津さんもアルファでドリフト!)がタイヤから煙を吹いて横っ飛びしてるのに、速度計は30km!?ってね…。細かく書くとキリがないからこの辺で。勿論、最後は超ハッピーENDで見終わった時の満足感は保証出来る逸品です。
【後書き】
作中で作品として描かれた「第三少女飛行隊」をモチーフに、監督の水島努さんが、周囲のリクエストと自分の好み?で制作したのが「荒野のコトブキ飛行隊」です。こちらはほぼ3DCG版ですが、なかなか面白いです。