ローズ さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
一身上の都合
魔王軍を倒した勇者レオ。
レオは魔王軍に仕官して、魔王エキドナに仕える事を望んだが拒絶される。
魔王軍四天王の計らいによって、レオはオニキスと名前を変えて働くのであった。
序盤からの印象は、現代日本社会の会社組織を異世界転生物として表現したかったのかなぁという感じ。
魔王軍を会社に見立てて再建するように見えます。
報連相(報告・連絡・相談)が重要になる会社組織。
レオは魔王軍の職場環境を改善して、風通しのいい組織へと変貌させていきます。
また、ありきたりな異世界転生物なのかなぁ、と考える人も多いでしょう。
でも、その予想は勇者レオの過去語りあたりから雰囲気が変わります。
世間では3話切りという言葉がありますが、本作品は3話では魅力が伝わらないですね。
レオの出自。
レオの辿ってきた歴史。
レオの最終的な目的。
終盤になるまで分からない事が多いです。
人類の為に戦ってきた勇者レオが、何故、魔王軍に仕官したのか?
本作品の一番のポイントですが、そこまで視聴を続けられるかどうかは、個々の判断で別れそうです。
エキドナは魔王ですが、人間界に侵攻しても必要の無い殺生を禁じています。
レオは未来の世界を託せる相手だと思ったのでしょうね。
人類と魔族が共存できる社会。
これは勇者レオが戦いの中で、とある魔族と語り合った理想です。
今までは人類を守る役割だけだった勇者レオ。
魔族の王であり人類と共生する事を望むエキドナ。
両者の思惑が交差します。
普通の異世界転生物と思わせてからの裏切り。
量産型異世界転生物では味わえない内容です。
たしかに勇者レオはチート能力を持っていますが、それは勇者の出自と戦いの歴史があるからこその副産物です。
勇者としての歴史は3000年。
その3000年が終り、新たな始まりがある物語。
普通の異世界転生物だと切ってしまうには、勿体ないかもです。
勇者レオが勇者を辞めて魔王に仕官する物語。
これが本作品の骨格です。
何故、勇者を辞めるのか。
何故、魔王に仕官するのか?
本作品を視聴して確認してください。