ゲリオ さんの感想・評価
3.2
物語 : 2.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.0
状態:観終わった
おろかもんの父親
もやしもん、ばらかもん、であいもん…
似たようなタイトルのアニメ第三作ですが、まったく関係ないです。
あー、でもオッサンと幼女のハートフルストーリーって点では”ばらかもん”と似ているかも?
「であいもん」というのは京ことばで「食材同士が合わさることでお互いの良さを引き出す、取り合わせの良い食べ物」を意味するそうです(wikiより)
まぁ、そんなことはどうでもいいので内容のレビューに移ります。
このアニメ、一見すると心温まる感動作品に見えるけど、所々で狂気が見え隠れします。
主人公は元売れないバンドマンの和さん。栗の被り物して弾き語りする様も怪しいですが、三十路過ぎなのに見た目が妙に若々しいイケメンなのも何となく違和感。もうちょっとオッサンっぽいルックスにしてもよかったのでは?
もう一人の主人公の10歳の一果ちゃんは普段しっかりものだけど、四六時中パパを探していて、ギター背負った男性を見つけると必ず「パパ!」と勘違いして、どこまでも付いて行ってしまう真正ガ〇ジです。
次に2話から活躍するJK美弦ちゃん。普通の女の子に描かれてますが、よく考えると毎日バイト入って、家では弟4人の面倒と家事、さらに勉強も出来て、おまけにギターも弾ける人気ユーチューバー(!?)という超人です。
3話から登場の和の元カノ佳乃子さん。「父親が倒れたから和菓子職人を目指したい」と言った和に「私洋菓子が好きなのバイバイ」という返答で出てった癖に、自分が振られたと思ってるガガイのガイ。
極めつけは4話。店の若手職人サキ君。常識人枠かと思いきや、まさかの女装癖があり、しかも女装した自分をスマホの待ち受けにしてる最強のガガイのガイのガイのガイ!!
という具合にキャラクターにヤバい狂気が随所に見受けられましたが、特に突っ込みを入れることなく進行されるので反応に困ります。
ギター持ってるだけでパパと思い込む一果は普通にケアが必要でしょ。
そして女装した自分を待ち受けにしてシコってる基地外は精神病院にブチこむべきです。
中盤、母親が一果を引き取りに来た回について。
「10年も放浪したあなたの様な人に一果を任せられません!」とか言ってるが娘を10年放っといたどの口がほざく。
ところが一果はパパのことは狂気的に妄信してるくせに何でかママには塩対応。
「ママ会いに来てくれてありがと!私パパの大好きな和菓子の職人になる!」
いやいや…迎えに来ただけママンの方がパパより常識人だと思うが。仕事してるし。
仕事もせずに嫁に捨てられた挙句、娘を他人に押し付け失踪するパパとか軽蔑対象以外の何者でもないのでは…?
総評ですが「イイハナシダナー!」風に回が消化されますが、冷静に振り返ると「いい話だったか?」という疑問が繰り返される、そんなアニメでした。
でもそんなシュールな余韻が何故か心地よく、今期の中でも意外に楽しめたアニメのひとつだった気もします。
作者はこのシュールさを自覚してないと思いますが、それが良い方向に向いた作品だったのではないでしょうか。
最終回まで見ましたが一果の父親の件は何も解決しません。
でもそれでいいんじゃないかと。
最初は避けられてた和が、父親代わりとまではいかなくても一果にとって安心できる存在となれたという良い区切りだったと思います。
どんな理由があろうともネグレクトに変わりない行為をした父親が汚名返上できるとは思えませんからね。
しかし物語の結末を迎える必要のある原作漫画では、父親関連のシナリオを消化しないわけにはいかないでしょうし、今後どういった展開にもっていくのかは興味はありますね。実はロシアのスパイで(背中のギターは重火器)一果の命を守るため姿を消した…レベルじゃないと納得できねーぞ?笑