てとてと さんの感想・評価
3.4
物語 : 2.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
ユニークで可愛さも申し分ないが、きららのゆるふわとシリアスが不協和音
RPG風なファンタジーで、女の子たちが仲良く不動産屋を営む。全12話。
【良い点】
発想がユニーク。この路線の先輩である「ドラゴン、家を買う。」同様のRPGあるあるやファンタジーならではの物件探しネタが面白い。
レティさん一人の物件を延々探すドラゴン家を買うに比べ、毎話違うゲストの諸事情で話にバリエーションあり飽きさせない。
ゲストも可愛く個性的で、メイン組の可愛さとほのぼのした掛け合いもあり、1話1話の面白さは申し分ない。
お仕事アニメの側面も結構侮れない。
金銭を気にしたり、出世コースなど、良い意味でも生臭いやりとりがファンタジーによく溶け込んでいた。
きらら系の王道お約束なキャラ配置の日常シーンや掛け合いの楽しさはまずまず。
天然で優しい琴音と、幼く無垢なドラゴン娘ファーが特に可愛い。
このふたりの関係と掛け合いは非常に良かった。
琴音の天然ぷりはコメディー方面に活かされていた、また終始ファーを信じ受け入れた優しさも尊い。
ファーは作中随一の有能で、ファーが起点となって解決していく事で話もスムーズ。
人間の常識に無頓着なのはあざとい萌え(服脱ぎたがる)に活きた。
本作自体の諸々の欠点を差し引いてもファーの存在だけで完走した価値がある程。
キャラデザはやや癖があるものの可愛さは十分。ファーが特に可愛い。
琴音の開放的な胸元などあざといお色気も良し。
声優陣も申し分ないがファー役の木野日菜氏が特に良かった。
井上親子共演。
楽曲は主題歌もさることながら琴音の歌が良い。キャラ付けと作劇に活かされている。
【悪い点】
ファー以外は既存のきらら系良作たちの既視感ある。
ルフリアは金銭や出世欲抱えた苦労人なキャラ付け出来ていたが、ラキラが地味。
またメイン4人の関係性に壁があり、ラキラはルフリア以外との絡みがあまり無い。
このためか、日常部分での会話劇がやや地味。
更にファーを本当の意味で信頼していたのが琴音しかいなかったのもリアルかも知れないが、きららに求めてないリアルさ。
11話ルフリア「あれはもうファーじゃない」発言は酷薄じゃないかと。
間違ってはいないが、あれ呼ばわりから嫌な本音が零れていて、さりげないリアルさが嫌。
(キャラ評価琴音とファーで4点→0.5減)
純粋に優しい世界とは言い難い雰囲気。
終盤だけでなく、4話で石投げられてたり(くまみこ…)、サトナ様など上層部の黒い思惑が若干透けていたり、(終盤以外は)顕著ではないがそこはかとなく優しくない。
6話のオチもハデスを追放してめでたしめでたしだけど、ハデスなど魔王軍側?には優しくないのかと。
終盤のオチも上層部による危険分子の監視と厄介払いと取れてしまう、完全ハッピーエンドとは思えず。
終盤のシリアスも内容自体は悪くはないかもしれないが、きらら系に求めているモノではない。
黒幕の女の子が描写不足で終了、続編が無ければ彼女には悪印象しかない。
【総合評価】3~2点
魅力も多々あったし悪い作品ではないと思うけど、純粋無邪気には楽しめず。
シリアス耐性貧弱な自分が悪いんだけど、結局きららに求めているのはそこじゃないな、と。
評価は結果良ければと、優しさ可愛さが優勢と見てギリ「普通」
おそらく2期は厳しい。原作未読だけど、続編は更に曇る展開あるらしいし。