九会 さんの感想・評価
3.1
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 2.0
状態:観終わった
設定にひかれる部分はあるが、百合関連は消化不良気味
原作はライトノベル
強力な能力を持つ「迷い人」による厄災を防ぐ為に処刑人になった「メノウ」と世界と自身を"回帰"させる能力を持った迷い人である「アカリ」が互いに思惑を巡らせながら旅をするお話。
話の世界観である異世界に転移した日本人の文化が根付いているという部分やチート能力を持った転移者が政治の道具に利用されているという設定は面白いなと思いましたが、この作品の中で占める割合の多い百合要素はうーんという感じでした。
中盤でアカリの目的が過去回想からメノウが死なない世界を作るということが判明して少し面白くなってきたかな?と思ったのですが、この回想、死ぬ直前の内容が描かれただけでそれ以前が描かれていないんですよね。そのため、アカリがメノウに執着する理由が現時点ではわかりません。メノウがアカリに与える優しさは出荷予定の家畜に最後の晩餐を与えるようなものであり、尚のことアカリがメノウを好きになった理由がわからない。「回帰前の世界で色々あったからアカリはメノウを好き」がアンサーですが、それがないんですよね。断片的にでもそれが明かされていれば、アカリの目的が判明するシーンが更にドラマチックになったのかなと思います。存在しない記憶とかデジャヴとかフラッシュバックみたいな要素をもっと全面的に押し出しても良かったかと。
他にもメノウの後輩であるモモは好きになった経緯はちゃんと明かされているのでそれはいいんですが、それにしてもメノウへの好意が食傷気味でした。加えてメノウをアカリに取られたとばかりに彼女の悪口を言うんですよね。自分もアカリのキャラがはあまり好きではないので分からなくもないのですが、ちゃんと話した事がない子を一方的に嫌って悪口を言うのってすごい印象が悪いと思うんですよね。そのためモモのキャラ造形はもう少しマイルドに出来たのではないかなと思います。依存と幼さのあるキャラって嫌われてもいい敵サイドの方が向いてるので、味方キャラだとできる限りヘイトを買わないよう慎重に取り扱うべきかなと思います。