ゲリオ さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
オープニングが最高ッ!!
近年の低調具合から存続すら危ぶまれたP.A.WORKSの新作。
かつてはオリジナルアニメに定評があったPAさんだが今回は原作付きアニメで勝負。結果的に、久々に概ね成功した作品と言って良いのではないか。
しかしながら自分としてはこの”パリピ孔明”という作品は、そもそもが中の上か下くらいの原作力だと感じたので、本作を以てしてPAが完全復活したとは言いたくない気持ちがある。
やっぱり貴社には完全オリジナルアニメの名作を期待したい。それがどれだけ難しいのかは理解しているつもりだけど。
次回作のCygamesとの共同制作のオリアニに期待するぜぇ~♪(PVの印象はまたも尖りすぎて滑る気配満々だけどw)
んん?パリピ孔明の感想を書けだって?
いやぁ~、それは・・・・
①「最初と最後だけ面白かった」
②「オープニングが最高だった」
ずばりこの2点に尽きるっしょ!
まず、②のオープニングについて。
久々にPA作が話題作となり得たのはあまりに秀逸過ぎたOPのお陰と言って過言ではないだろう。
一度聴いただけで耳から離れないとはまさにこの曲を指す。
ハンガリーの英語圏でない洋楽をカバーソングに起用したセンスが素晴らしい。
00年代初頭にネットで流行った”恋のマイアヒ”を思い出したのは自分だけではなかった模様。
曲調もさることながらアニメーション映像も最高に楽しく、諸葛孔明が車を運転してる図だけでも面白いし、ヌルヌル動く変なダンスも毎回テレビの前で一緒に踊りたくなる中毒性だった。
曲&映像ともに100点満点で大げさではなくテレビアニメ史に残る名オープニングとなったと言える。
次に①に関連するストーリーについて。
これはもう最初に述べた原作力云々の話になるのだが、つまりもう…タイトルまんまの出オチ作品であると…
現世に転生した諸葛孔明が現代日本で音楽マネージャーになるという無茶な設定は、掴みは良くても間違いなく失速すると当初から危惧はしていたものの、まさに予想通りの展開となる。
なにしろせっかくの孔明なのに軍師たる本領を発揮したのは最初のフェスだけ。
中盤以降は傍観者、あるいは出番すらなく、もはや孔明である意味がない!
そもそも孔明がマネージャーとして出来ること自体限りがありすぎだろう。
ただ最後の最後、AZALEAとのタイバンライブをラス2話に持ってきたのは良かった。
赤壁の戦いになぞらえることで孔明の見せ場もあったし、作品のクライマックスに相応しい盛り上がりとなった。
さて、最終回をAZALEAとの決戦に調整するため、中盤が中弛みとなり、特にラッパーのKABEが批判の槍玉に挙がってしまったのは残念だった。
他のキャラは歌唱部分は本業の人にやらせているのに対し、KABEは声優さん本人がラップも担当してて素晴らしかったのにな。
とはいえストーリー的にKABEを陣営に入れなければならない必要性はそこまで感じられるず、視聴者は英子の話を見たかったわけで、唐突にKABE君が第二の主人公みたいな展開で進行してしまったのは批判されても仕方なかった気もする。
せめて英子の最初のライバルとして登場したのなら良かったのだが、原作付き作品にそんなことを言うのも野暮か。
とりあえず総評としては「最初が〇で中盤が×、最後が〇」そんな作品だったということでレビューを締める。まあ、期待値は超えてくれた作品だと思う。あとは冒頭の段落で述べたことが全てです。以上。