てとてと さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.5
作画 : 3.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
優しいコメディー調なロミジュリ。佳作未満になりがちな設定で1クール安定して楽しめた
戦隊ヒーロー男子と悪組織幹部の女子が周囲にナイショでラブコメをする。
【良い点】
朴念仁で誠実な男子と純粋で素直な女子が立場上の都合で隠れながらもベッタベタなラブコメ。
普通なら早々に飽きそうだけど、1クール飽きさせないのが上手い。
ロミオとジュリエットな古典を戦隊ヒーローと悪の組織でやってみたコンセプト。
これ自体は出オチ気味で1クール続くのか?と思われたが、周囲特に悪の組織側が優しい気風で、カン違いで気付かれずヒロイン(どちらかというと女の子の方が主人公寄り、以降デス美ちゃんを主人公と呼称)への評価が上がっちゃう感じで安定したコメディーを展開。
主人公と相手男子どちらも精神的にも戦闘力的にも強く、周囲が一目置くなど、作品全体でふたりの恋路を応援する感じ。
デス美ちゃんが可愛い。
天才肌で裏表が無い純真さ、禁断の恋は隠すが乙女心や女の子らしさは隠そうともしない無防備さ。
それで破綻しないのは秘密組織ゲッコーのユルさのお陰。ここがコメディーとしても楽しい。
捻っているようで実に素直なラブコメ、その捻り方も、素直なラブコメを支える方に機能している。
ロミジュリを悲劇ではなく優しいコメディーで展開していくため、甘酸っぱいラブコメを心地良く堪能できた。
ゲッコー側の王女シリーズが個性的な女の子揃い。
デス美の天然恋愛脳に翻弄されたりカン違いしたり、リアクションが良い。
悪の幹部同士で少しズレたガールズトーク、女の子たちの仲良しな雰囲気で、1クール飽きさせないのに貢献。
【悪い点】
ロミジュリとしては出落ち&甘く、ラブコメとしては単調。
良い点と裏腹、ロミジュリの緊迫感や波乱がほぼ無い。
戦隊の悪と正義な構図も序盤でお腹一杯。
各話も抜きん出て面白いわけではない。
コメディーとしてはカン違いでデス美の評価上がる一辺倒でワンパターン。
7話のグリーン師匠とのシリアスはあまり楽しくない。
同時期の理系2期の奏ちゃんよりはマシだけど。
グリーンも可哀そう、恋の障害の為にカマセにされた感。
この他にも全般的に、不快な程ではないが、ふたりを立てる為に周囲を下げがちな作劇。
最終話の巨大赤ちゃん怪人とか可哀そうだし。
姉に憧れるヤンデレ気味な妹の9話も微妙。
個性的なキャラ多いがふたり以外にあまり持ち味出せていない。
ゲッコーは王女シリーズがいるが、戦隊側は地味。
(上と合わせてキャラ評価0.5減)
キャラデザにクセがある。
【総合評価】5~6点
佳作未満なところを1クール水準以上に楽しませてくれた。
惜しい点が多いものの、デス美ちゃんの魅力と優しい作風で持たせた感じ。
評価は程々に「良い」