nyaro さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
Lまでは面白い。1回で十分。デスノートという概念は素晴らしい。
リアタイではありませんが、ほぼ先入観なくコミックスを読んでます。出落ちだろうなあと思っていたら、展開が面白くてびっくりしたものです。あの女捜査官でしたっけ?結構魅力的なキャラをすっぱりヤルところなんかクールでカッコ良かったです。虚無感のある時代にマッチしたのでしょう。
ですが、海砂の登場であれ?展開に詰まった?と思ったりもしました。つまり夢中になったのって3巻くらいまで?アニメだと10話くらい?結果的に海砂が魅力的なキャラだったし、Lとの戦いや父との関係もヒューマンドラマとして面白かったのでいいのですが、この辺りですでにパズルというか頭脳戦には興味がなくなっていました。
ノートの設定は秀逸でした。ミダス王とか、猿の手とかいろんな寓話がありますが、そこを逆手にとってリスクが無いというのが斬新だったですね。リュークの醒めた感じとかも、もちろん海砂のパンツとか縛られているところとかなかなかでした。アニメ版はちょっと子供ぽかったですけど。
Lの造形が半分死神みたいでした。リュークとあまり変わらない感じです。だから月に対する死神として、最後はLの勝ちなのかと想像していました。
ということで、とにかくLとの勝負まではかなり面白いと思います…ました。
で、Lとの対決後は多分、コミック読んでなかったんじゃないかなあと思います。で、アニメはそこを見るために見た気がします。まあ、引き延ばし…とは言いません。月の結末が必要ですから。しかし、やっぱりLがいなくなると急にどうでもよくなります。
ずーっと再読、再視聴してないんですよね。要するにコミック1回で十分でした。アニメは多少改変があるにせよほぼコミック通りです。この作品をいじったら話が通じないのでそうするしかないでしょう。
結果的にコミックを読んでいると海砂を堪能したらもういいや、という感じでした。そして、当時はあんなに論理的な話で、ハードでクールな世界だと感じてたのに今見ると、いろんなテンプレというかステレオタイプがあって、アレ?過大評価だった?という気もしました。
もちろん本作は同時代性が大事な部分がありますので、当時としては演出や雰囲気、ストーリー展開などかなり斬新だったんだと思います。
面白さ、特に1回目視聴の秀逸さについてはまったく否定しません。大人でも楽しめるストーリー展開です。ただ、これを2回見ろと言われるとちょっと辛い。本作の楽しみ方が、結果を想像しながら展開にドキドキするという特性上でしょうね。
確認のために戻るくらいならしますが、結局途中から面倒な展開をいれすぎて頭を使うことを放棄してしまいましたので、それもしませんでした。
あとは今になって感じたことです。天国と地獄の存在を肯定してしまいました。つまり、これで死に対する恐怖というか絶望が相対化されてしまうことに気が付きました。いい気になって罰している月ですが、少なくとも消滅するわけではないです。これが今になってみると、月に対して天国にも地獄にも行けないと言っている以上、来世を否定したほうが絶望感がでたかなあ、という気がします。
世界的に人気になる作品の中では比較的大人も楽しめるストーリーだったと思います。思いますが、もういいです。
で、最後に大事なことですが、本作の価値はなんといってもデスノートという概念でしょうね。のちのアニメ、コミックにどれだけ影響を与えたか。結果的に後継は「猿の手」になっている気もしますが、2次創作とかエロい話含めて「デスノート」という概念を産み出したのは素晴らしいと思います。
一方で、リュークってヒカルの碁の影響があるんでしょうか。サイに似てるとはいいませんが「あれ?サイ」って初見では思いましたね。