てとてと さんの感想・評価
3.3
物語 : 3.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
気弱ヒロインがオラついた男子コンビに翻弄される感じの退魔バトル。魅力はあるけど詰め込みが惜しい
「ローゼンメイデンや「しゅごキャラ!」のPEACH-PIT作品で、ヒロインが、ゾンビとして蘇り借金返済のためバトルする少年たちと関わっていく。
【良い点】
設定が良い。
ゾンビとして蘇ったがゾンビローンを返済しないと死体に戻るため、仕事でゾンビを駆る。
主役男子二人は不死身や、腕を相棒と交換しないと武器使えないなど設定をうまく活かしたバトルは中々。
気弱ないじめられっ子で後ろ向きに生きてきたヒロインが、死して貪欲に生きているオラオラ系男子と出会い、運命が変わっていく。
「ただ生きてるだけならゾンビでもできるんだよクズ」などキツいセリフ多いが、ヒロインが次第に前向きに生きるきっかけとなる。
死をテーマに中二病的ではあるが真摯に向き合っており、6話で守銭奴と思われた葬儀屋が事件で死んだモブの葬儀に「脇役でも生きた証」的な持論展開したり。
後半、不老不死を狙う秘密結社の狂人たちと対峙、死を冒涜する敵との対比でも生きる意味などのテーマが分かり易かった。
聖書のヘブライ語暗号や解釈などのオカルト感も良い。
ホラーよりも都市伝説オカルト寄りの作風。
バトルも刀とピストルでスタイリッシュなど、全般的に中二病くさい(良い意味)ノリも好き。
徐福伝説やらゴーレムやら、死者蘇生に関する展開は中々興味深かった。
オラついてケンカばかりな男子二人の関係を見るBL要素も。
熱血なチカとクールなシト、キャラに華がある。
シリアスの中でもコミカルな掛け合いやるのは近年だと「ヴァニタスの手記」と似た感じ。
女性読者向けのキャラ萌えか。
敵味方問わず一癖ある面白そうなキャラが多い。
気弱だが結構図太いミチルちゃんは可愛い。珍しいメガネっ子ヒロイン。
最終話の決意で、初期から成長が見える。
豪華声優陣。鈴村氏や櫻井氏などイケボ男子の掛け合いが堪能できる。
桑島法子氏はやや好みが割れそうな演技だけど、ミチルちゃんのキャラには合っていた。
【悪い点】
面白そうなキャラは多いが、登場や退場が唐突で掘り下げの過程が全然足りない。
敵も味方も脈絡無く登場してヒロインそっちのけで進行していくため、感情移入の暇が無い。
6話で仲間の一人が裏切るが、それまで大して交流掘り下げが無いため微妙。
11話ゴーレム少女の悲劇的末路は泣かせる場面だけど、シキとの交流が足りないため今一歩。
ヒロインも終始傍観者で空気気味。
前半気持ちの整理が付くまでがピークだった。
男子組の関係も何となくは伝わるが、友情としては中途半端。
総じて原作未読だと熱心に視聴しないとキャラが記憶に残りづらい。
1クールで雑に大勢キャラを出して処理し切れてなかった。
死者蘇生に関するオカルトストーリーは悪くないけれど、意味深な中二病用語や展開が次々出てはあまり掘り下げずに終わる。
根幹に関わる重要設定や勢力が終盤一気に提示されるが、情報を処理しきれない。
12話彼岸人とか6話のシバ再登場とか中々面白そうな予感はしたが…
【総合評価】3~4点
十数年ぶりに視聴してみて、全然内容覚えてなかった理由が分かった。
キャラやストーリー自体は好みだしポテンシャルは高そうだけど、詰め込み過ぎ。
なるほど、これは不人気というか埋もれてしまうのもやむなし。
終盤面白くなってきたので2クールあれば…勿体無い。
評価は「普通」