ツークツワンク さんの感想・評価
3.4
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
令和に蘇りし褐色ツンデレ
ツンデレという平成に置いてきた遺産が何を間違ったか令和に蘇ってしまった。しかもマニア寄りの褐色属性持ちで。
キャラデザといい見るからに低予算。漫才仕立ての罵倒ギャグ。ツンデレと褐色という令和のトレンドからおよそかけ離れた設定。
見るからに地雷であり、一見紛うことなきクソアニメ。
ヒロインによる罵倒は令和のバブみやオギャみに慣れきった人達には見るに耐えないハラスメントであり、この時点で過半数は尻尾を巻いて逃げ出したと思う。
そして、逃げ出さなかったクソアニメマイスター達は次第にこの作品にのめり込んでしまうことになるとは思わなかったのであった。
この作品噛めば噛むほどスルメのごとく味を感じ始めるのである。
罵倒だらけのカーラだが徐々に見せ始めるデレには我々が忘れかけていたツンデレ萌えの文化があるのだ。
カーラは冒頭から主人公に発情してしまうようなそこらの令和アニメにいる安い女ではない。
そしてサブキャラのキノコや幽霊…こいつらもマスコットとしてギスギスになりそうなこの作品の清涼剤として上手く機能しているし非常に愛らしく思える。
物語としての内容は無い。ただ、罵倒だらけでもギリギリの不快ラインを超えないセンス。これは唯一無二とも言えるのではないか。令和の優しいコメディからかけ離れた辛辣な罵倒。しかし、そんな中にも時折見せるアルヴィンとカーラの優しさに尊さを感じてしまうのだ。
時代遅れのツンデレにカビの生えたようなギャグ。
これが楽しめる人は間違いなくインターネット老人会の会員である。
皮肉なことだが、つまらない人は楽しめないことを喜ぶべきである業の深い作品だ。