ツークツワンク さんの感想・評価
3.2
物語 : 3.0
作画 : 3.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
ヒーローと悪の組織の女幹部との恋物語
ヒーローと悪の組織の女幹部との恋物語
なのだけれどその設定を上手く活かしてたとは思えない。
ロミジュリにしては背徳感とかは無く、戦闘中に堂々と逢引するといったオープンな交際をしてるせいかイマイチ盛り上がれなかった。
周囲に隠す気サラサラないよねっていうのも含めてギャグなのだろうか。
コメディだし軽い気持ちで見る方が良いんだろうけど、お互いの組織の情報を持ち出して逢引するとか交際に関しての印象は最悪。
最低限のモラルは守ってほしいよなとは思う。一応戦争してるし、勤め人だよね。
そもそも他の人達が必死に戦ってる横でデートするのも言語道断なのだけれど。
でも、途中からお互いの組織に理解者が現れ始めて黙認カップルみたいな感じになった辺りからは気にならなくなったかな。何も知らないお互いの組織のトップは南無三。
世界観についてもイマイチ良く分からない。ヒーローと悪の組織の戦いはテレビニュースとして扱われてるけどエンタメなのか戦争なのか。
エンタメにしては殺傷能力高そうな兵器も持ってるよね。世界征服って割に一般人巻き込んで何をするでもなく、やってることはヒーローショーみたいなごっこ遊びにも見えるし、何を以て世界征服するんだろう。
声に関して一つだけ。断罪王女の棒読みは半パートだけでも聞いていて頭痛がしたので終盤にちょい役としてしか出なくて良かった。
悪いことばかり書き連ねましたけど、キャラは可愛いしヒーロー怪人もののコメディとしては及第点なので頭空っぽにして流し見する分には楽しめます。
今までの作品だったら、不動やデス美がもっと必死に正体を隠したり、ヒーロー組織内でレッドに恋心を抱くキャラと悪の女幹部との間で、正義と悪を交えた三角関係が産まれたりしたものですが、そういうテンプレシリアスは一切なし。
ストレスを与える展開は全く無くひたすらクリーン。
中身のない作品というよりはストレスを与えないように中身をあえて作らないようにも思えました。細かい世界観や倫理観を放棄したりするのが最近の創作術なのかもしれません。
そう考えると評価を上げるべきなんだろうけど自分としては細かいところがどうしても気になってしまいます。
近年における現実とアニメをごっちゃにするなっていうリアリティを放棄した創作スタンスにそろそろフィットしていかないといけないのかなぁと思いました。