tinzei さんの感想・評価
2.7
物語 : 2.0
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 2.5
キャラ : 2.0
状態:観終わった
人間と吸血鬼の08小隊
ネトフリオリジナル作品。約30分×5話。
簡単に言えば「人間の少女とヴァンパイアの王女による楽園を求めての愛(友愛)の逃避行」。
5話で完結させてるから、話の進行は早いけど、話数間を飛ばすようなことはないから、比較的わかりやすかった。
憎み合う者同士の逃避行っていうので『ガンダム08小隊』を思い浮かべるけど、恋愛要素は全く無い。ヴァンパイアの方は序盤で百合っぽい描写があるから主人公二人の恋愛があっても不思議ではないんだけど、ただ無いだけなのか、実は企画段階ではあったんだけど、世界向けのネトフリ配信だから配慮したのか……まあどちらにせよ、あった方がもう少し楽しめたっていうのが正直な感想。
お互い事情があって最初は利害の一致で逃亡するけど、フィーネの方には同情できるのに、モモには一切できなかった。
フィーネは過去に人間絡みで辛い事があって自暴自棄になってたのに対して、モモは一回前線で酷い目にあったとはいえ、母親がお偉いさんですぐに安全な職を得たのに、親友がヴァンパイアに殺されて流れでフィーネと一緒に逃げちゃうし、しかも音楽に触れただけでヴァンパイアに心を許しちゃうしで、観ててイライラするキャラだった。キャラクターだけで言えば、フィーネを取り戻そうとしたアレグロやモモの母親のノバラの方がまだマシ。
作画担当が『NARUTO』の西尾鉄也だから、既視感を感じるデザインだけど、ヴァンパイアが変身した姿(口が出て目が赤くなった状態)が『NARUTO』の劇場版(どれか忘れた)で出てきた変身した敵の姿に似てた。
【あらすじ】
1→人間のモモは戦闘でヴァンパイアの子供を撃てなかった。母が司令官のため安全な司令部勤務となる。ヴァンパイア側の王女フィーネはとあることが原因で毎日放蕩三昧の日々を送っていたが、部下のアレグロが立てた作戦に参加する。モモは母と喧嘩をして森に逃げてるときヴァンパイアの襲撃を受ける。その時フィーネとモモは出会う、最初は拒否するモモだったが、友達であるミラナが死んだため一緒に逃げる。
2→フィーネは自分の屋敷につきモモをもてなそうとするがモモは心を開かなかった。しかし人間とヴァンパイアが一緒に暮らす絵や人間が作った歌に触れ、徐々に心を開いていく。モモの母ノバラは弟のクボにモモ奪還を命じ、ヴァンパイアもアレグロにフィーネを連れ戻せと命令する。クボは屋敷に突入しモモを助けようとするがモモはフィーネについていくことを選び、アレグロの襲撃や、クボに付いてきたパワードスーツ部隊が勝手に行動したため、フィーネとモモに逃げられてしまう。モモたちは人間とヴァンパイアが暮らす場所を一緒に探すため旅を始める。
3→車で移動中、ラジオで軍司令の母親が自分のせいで上層部から責められてると聞く。二人は仲良く移動しながら、ヴァンパイアと人間が一緒に暮らす街に着く。一緒に住むと言っても街を二つに分断し、お互い血とお金でやり取りするだけの利害関係で繋がった街だった。フィーネは知り合いの宿屋を訪ね、主人を買収しルールを破って人間であるモモも泊まらせる。しかしそこについてからフィーネは自分の吸血衝動を抑えられなくなり、モモを襲いかけてしまう。フィーネはそんな自分を見て、モモにやっぱり人間の世界に戻れと言う。モモは人間側の街へ潜入し血を盗み出そうとするが騒ぎになってしまう。そこにフィーネを探していたアレグロも現れ、モモは殺されそうになる。何とか逃げ出したモモだったが、ヴァンパイアの街でも人間を連れ込んだことで騒ぎになり、モモはフィーネを連れて逃げ出す。弱気になるフィーネに喝を入れ、二人で遠くまで逃げるが、途中で力尽きてしまう。モモが目を覚ますと、ベッドにおり、ヴァンパイアの少女がいた。
4→モモたちがいるのは吸血鬼と人間が楽しく暮らす村だった。モモは喜ぶが、フィーネは血の中毒者と言われたヴァンパイアの姿を見て疑心暗鬼となる。だが楽しく暮らすモモの邪魔はできず、さらにアレグロがフィーネの前に現れたことによってフィーネはモモの元から去ることを決める。一方モモを追っていたクボは威信を取り戻すために来たノバラを連れてモモを探す。フィーネが去ったことに気付いたモモは探そうとするが少女たちに止められ、この村がおかしいことに気付く。モモは逃げ出すが、彼らが根城にしていた潜水艦で電力の源にされるヴァンパイアを見つけてしまう。彼らはモモたちが持ってた楽園のポストカードに踊らされたヴァンパイアを集め、動力源にしていた。一方フィーネは仲間を呼びにいったアレグロがいない間に村の連中に捕まってしまう。モモはリーダー格だったヴァンパイアの少女に追いかけられるがどうにか倒す。しかし外でクボの部隊と村のヴァンパイアたちが戦闘を起こし、その流れ弾で潜水艦に穴が空きモモは溺れてしまう。
5→モモの危機に目覚めたフィーネは潜水艦へ行きモモを救出する。そのまま二人で逃げようとするが、アレグロとクボたちが追ってくる。そのまま三つ巴の戦闘に入り、フィーネたちはクボの部下達に襲われる。フィーネは腹をくくり、モモを先に逃がし、バケモノになる薬を使ってしまう。モモはフィーネのもとに戻ろうとするが、アレグロとパワードスーツに捕まってしまう。しかし最後はフィーネのことを思ったアレグロが死の間際にモモを逃がす。フィーネはバケモノになり見境が無くなっていた。モモにも襲い掛かるがクボが助ける。クボはフィーネと戦うがモモが止め、クボは見境が無くなってもモモを守ろうとした姿に愕然として二人を逃がしてしまう。落ち着ける場所へ来たフィーネはバケモノから戻り、かつてモモに似た人間で一緒に逃げようとした女の話をする。フィーネは息を引き取り、モモはフィーネの死体を持って途中母親に今まで育ててくれた礼を言い、決別を宣言して去っていく。しばらくした後、モモはヴァンパイアと人間が一緒に暮らす場所にいた。