神谷 さんの感想・評価
4.7
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
感想!
メイドインアビス 感想
感想です!
この作品はWeb漫画原作です。
この作品では安楽死という行為に着眼点を置き、安楽死で死ぬことを肯定しています。
思ったことは、世界観の作りやスペクタルシーンというのが随所に見られ、モンスターや作り込まれた世界観、風の谷のナウシカのように世界観作りがされていることが挙げられた。
この作品の見どころはこの世界観とその世界観を解き明かしていく過程を楽しむもので、見ているたびにその世界観を広さに驚かされた。
そしてナナチとミーティアの話の内容。これは知的障害者をどうするかという点を連想されるエピソードだった。
ミーティアはアビスの呪いを受けて人間から知性のない動物(知的障害者)になってしまった。
そしてナナチは自分の死んだ後、ミーティアは一人で暮らしていけないので殺してくれと頼んだ。これは人権で考えれば、まだ法整備の整ってない安楽死という概念にあたる。
普通の作品では例えば医療ものなら、これを救うという選択肢に出るが、この作品は殺すという選択。苦しむ彼女は人間と意思疎通ができる状態でなく苦しんでいる、つまり人権規定の幸福で文化的な生活が送れない状態だと判断され、尊厳死という項目が与えられると判断される状況だったのだろう。
そういう思考で、ミーティアを殺して、そして尊厳死を成し遂げてしまう。
私はこれについての意見は持たないが、この悲しみ、その仕方ないよ殺すしかないというのが悲しいのであり、この悲しみを理解できるかどうかが面白いか面白くないかを決めることだと思った。
及び知的障害者をどうするかという点では殺すという選択が合理的であり、そういう選択を取らざるおえないということは分かる。
デザインは子供っぽく、漫画らしさが溢れている。話は変わるが、小説を漫画にするとき、それはキャラクターデザインが大切であり、見栄えを意識することで個性を出すことが大切である。この視点でバクマンの中でジャンプ編集の中でそれが説明されている。
この方針自体で大人向けのアニメを作るなら割とこう言ったダークテイスト、やや残酷テイストの話が必要であると考えている。
無論、小説と漫画の融合という観点で言えばその点で言えばこの作品はなかなか良い路線を言っている。
さて話は変わるが、知的障害者の利用価値について障がい者施設に入れると経済的な損失があることが学術研究として明らかになっており、A型作業所、B型作業所でそれが軽減できることが明らかになっている。しかし人権規定を考えるのであれば頭の中にマイクロチップを入れてIQを向上させる。つまり安楽死ではなく殺さないことが、経済的な損失を抑えることに繋がるのではないかと考えている。私的にこう言った話について違った意見を持っているが、このアニメは問題提起として良かったのではないかと考えている。ただ僕はこんな決断はしないだろう。