nyaro さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
低い評価がしづらいなあ。花の純情さがたまりません。
本作をまじめに批評して、低い評価をすることが何か負けた感があります。お前はこの作品の面白さがわからないのか?と「アニメを見る目」の資質を問われている気がします。作品自体が壮大な「洒落」という仕掛けですからね。
面白さの軸は、真面目に退学させようとする裏生徒会の副生徒会長と花の2人の滑稽さです。男子生徒側の友情的な何かも描かれていますが、やはり、本作は男女の絡みの部分が面白いですね。
副会長はSが一周回ってMになったようなちぐはぐさ。フロイト的?にいえば、お前が失敗するのは潜在意識の中で本当は罰せられたい願望があるんだろ?というような感じです。女性側の主役の1人ですね。
で、花ですね。いいですね。お気に入りのキャラです。エロさのチューニングが副会長の直接的な表現と違い、視聴者の想像あるいは妄想に委ねららえるような部分がいいですね。副会長よりもエロさが引き立って良かったです。最後の {netabare} キスシーン{/netabare}などみると、性的な耐性が小学校低学年並みでキヨシとの性的なやりとりで感情の整理がつかなくなった感じですね。幼い恋心の一種ともいえるでしょう。滑稽ではありますが、その純情が心を打ちます。
ジャージを着せているのも副会長との対比で、花の性格付けが上手くでていました。私にとっては本作のヒロインは花でした。可愛いですよね。
会長の柿の種のところは、原作者のなんの癖かわかりません。千代は名目上はヒロインなんでしょうけど、どうでもいいですね。
声優さんはがんばりましたね。特に花澤香菜さん。さすがプロでした。いろんな意味で。
で、総評なんですけど、うーん。1回目のコミックは確かに笑いました。真面目な「脱走もの」を意識しながら、エロさと絡めてギャグにしたのは大したものです。この辺の感覚は「ミスタービーン」のような、登場人物が誰も笑わないギャグ映画の演出に近い感じです。イギリスのブラックジョーク的な感じなんでしょう。
その意味ではアニメはこの真面目な脱走もの=映画的な画面の再現がちょっと効果的ではなかった気がします。私が見たのが「謎の光」有りバージョンなのでその点でも若干面白さが失われました。作画は丁寧でかなりの水準なのはわかりますが、コミックの線の多さと細かさが醸し出す雰囲気の再現には至りません。
そしてなんといってもこの作品に12話、実質一話20分だとして240分。初見からちょっと長いですね。コミックを見ていたのでなおさらです。
さらに、2回目、3回目見て面白いかといえば、出落ちみたいなものですから仕掛けとして機能したギャグが陳腐化してしまいます。エロさもギャグに転化しているので、過剰なお肌の露出もあまりエロさを感じません。
ですので、作品としては評価できなくはない。でも、冒頭で言った通り、洒落の分からないという自分に対する恐れで高めに評価してしまうような作品でもあります。
冷静にまともに評価すれば中の上から上の下のどこか。75点を超すのは過剰な評価かなあ…