神谷 さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
感想!
文化庁メディア芸術祭アニメーション部門/長編(劇場公開、テレビアニメ、OVA)の審査委員会推薦作品。
感想!!!
この作品は死生観を仏教の輪廻というところに主眼を置き、報われなかった子供たちの為に、学校を用意してそこで夢を叶えると成仏するという仕組みを得ている。
実はこの作品、見る人によって描写不足などの評価が変わっておりあにこれでは高評価だが、それくらい評価の分かれるポイント。
私的にこの作品から感じた作品は悲しさだった。人は生まれ変わると定義しており、その時の記憶は無くなり、全く違う人物になるという前提で描かれている為、そこの捉え方次第で感想が変わる。
この作品が一部に大きくウケているのは、報われていない子供たちというキャラクター構造にある。この世界観を見たときにこの学生特有の感覚に心打たれてしまい、世界観に入り込みができるという点で世界観の作りが非常にうまい。
過激なジョークなどは人が選ぶが、高校生くらいはこれくらい大抵悪いので感情移入しやすいだろう。
最終話の卒業式のシーンでは、本当の卒業式で泣いたという人なら結構ビリビリするシーンであり、感動できる。
私的に残酷に感じるのは、人は死んだら記憶がなくなって生まれ変わる。記憶がなくなるというのは別人物のことでありこの点でかなり悲しさを感じたところ。
またユイの体が動けなくてずっと寝たきりで結婚してやんよと言われたところでもシュチュエーションから感動することができた。こういったドラマの作り方は観客層が限られるが、ドラマを指定することで誰向けに作るのかを徹底できる為にポイントが高い。
卒業式の場面で直井やゆりなどが消えるシーンはそれぞれのドラマがあり、とても良かった。
自分が感じたのは音無などの場面であり、病気の妹のために頑張っていたが、事故に遭い、最後にドナー登録して死んでいったとエピソードに感動した。
そしてそのドナー登録した心臓を作った女性というのが、天使ちゃんであったことで、生きていたことでの意味を持たせて、読者に無意味な生でも意味があると定義したことがこの作品の最大の強みである。
この感動する場面でもちろん報われる人生なんて一握りだがそうメッセージを出すことで奇跡を演出することができたのだ。
問題として世界観の作り方で、学生というものに対して報われていないという状況で、報われた人たちを見せることで感動させようとしたというところ。世界観を引き立てる為にバンドを作って、学校を通わせたところなどが評価が高かった。
マイナスポイントとしてはキャラクターが多すぎたりして、打ち切りみたいな感じになったのがマイナスポイントではある。
ということで感想を終わりたいと思います。