てとてと さんの感想・評価
3.6
物語 : 4.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
シンデレラ逆ハーレムで古典的少女漫画(か名作劇場?)みたいな?一世を風靡した名作ラブコメ
全51話。超上流階級の学園で、庶民のヒロインが、俺様系ボンボンと衝突しながら紆余曲折のラブストーリー。
【良い点】
昨今じゃ絶滅した?感のある、古典的設定のシンデレラストーリーが逆に新鮮。
庶民ヒロインが上流階級男子と路線の元祖的名作。(自分が無知で以前にもあるかもだけど)
「おもしれー女」の代表作でもあり?
70年代80年代の壮絶なイジメが横行する少女漫画か名作劇場の気風を色濃く継ぎつつ、傍若無人で破天荒だが魅力的な男子たちとケンカしたり、ときめいたり、身分その他の障害で恋を試されたり、一男去ってまた一難ぶっちゃけあり得ない波乱万丈ラブロマンスの嵐で全51話飽きさせないだけの魅力があった。
特に20話~26話のすれ違いからの二大男子との危険な修羅場展開は目が離せず。
最終51話の花婿奪い返しにヒロイン暴れる→これ以上ない程の大団円で51話見続けて良かったと拍手喝采。
キャラクターはヒロインも男子も問題児揃いで客観的に見るとダメ人間かもだけど、欠点だらけなところも込みで抜群の魅力あり。
道明寺も花沢類も特に道明寺は欠点だらけ、傍から見ると金持ちなのを差し引いてもコイツはやめとけ…と思うが、そんな彼らが徐々に可愛げや脆さ見せたり、カッコよさが一気に見えてくる人物描写が凄まじかった。
上流階級特有の問題抱えて傷付いている彼らに触れたつくしちゃんの心が揺れ、彼らにとっても気高き雑草が魅力的に映るのはよくわかる。
恋は損得にあらず。
二大男子の魅力は甲乙付け難く、つくしちゃん揺れ動くのもしゃーない。
ヒロインのつくしちゃんは庶民の逞しい雑草魂で上流階級学園の陰湿なイジメや暴君男子に一歩も引かぬ女傑、構図としては乙女ゲーヒロインだがお人形ではない強さが魅力だった。
よく男子を弄ぶ悪女的な見方されるし客観的にはその通りだけど、異世界のような境遇で終始嵐のような俺様たちに翻弄され、自分の気持ちの整理が付かないままに恋のときめきに身を委ねるのは、是非もなしと思うし、血肉の通った女の子だと思う。
いい線までいきながら身を引いてヤキモキさせるのも、優しさの表れ。
また最後まで金や権力に屈しなかった高潔さもカッコイイ。私のあしながおじさんのジュディ並み。
周囲を固めるキャラクターも良い。
成金バカ息子な和也は純真な善人ぷりハンパない、カッコ良くは無いけどコイツで良くね?
女性陣は道明寺や花沢類に影響与えた令嬢たちの魅力が高い。
恋のライバルは中盤の猫かぶり悪女桜子よりも、遅れてきたヒロイン滋(あきら)が印象的。
男子視点だと滋ちゃんのが良くね?と思った。
F4残りの二人は賑やかし要員ながら道明寺の良き友であり、最後までつくしの恋を支えてくれた。
つくしの家族もコメディー要員として笑えた。
このしぶとさ意地汚さ嫌いじゃない。
主題歌など楽曲は良く、ムードを盛り上げている。
声優陣は素人の棒読みではあるが51話も見ていれば慣れるし、アニメ的ではないだけでキャラのイメージ的には問題なかった。
【悪い点】
キャラデザが垢抜けない。
道明寺も花沢類も目つきが冷たい感じだったり、つくしちゃん他女性陣もイマイチ可愛くない。
とはいえ酷い程ではなく、慣れる。
声優陣が素人。
ちゃんと実力派起用していればもう少し評価上がったのは否めない。
古臭い少女漫画的イジメ横行はストレスフル。
この点は次第に挽回していくので長い目で見れるか否か。
男子も暴力的で、彼らの魅力が見えてくるまでは長い目で温かく見る必要がある。
波乱万丈飽きさせないのはいいが、三歩進んで四歩下がる感じの展開が続きやや辟易。
26話辺りまでの密度は濃いが、以降やや遠回りした感。
【総合評価】8点
流石は一世を風靡しただけはある、少女漫画ラブコメの金字塔の一角?
賛否分かれる内容だけど、51日見続けて引き込まれる魅力は確かにあった。
欠点も併せ呑んで楽しめるかどうか。ぶっちゃけ面白かった。
評価は「とても良い」