てとてと さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
本格派英雄戦記の序章。原作ゲームの3章までを描いたOVA全2話
【良い点】
原作ゲームの序章を忠実に再現しつつ、ゲーム内では描写されない間幕を丁寧に描いたストーリー。
悪の勢力に滅ぼされた亡国の王子が、彼を慕う王女や仲間たちと共に立ち上がる。
途中で山賊に囚われた聖女助けたり、凄腕の孤高の剣士と対峙したり、道中イベントで仲間増やしていくのも燃える。
原作ゲーム知っていれば納得の内容だし、知らずとも王道な英雄戦記の序章として申し分ない。
作画が綺麗で街などの描写が本格派ファンタジー感満点。
シーダのペガサスもファンタジー感出ている。
殺陣も非常に見応えある。オグマ対ナバールは名勝負。
剣の技量で未熟なマルスと熟練のオグマの差や、ナバールの達人剣技など、各キャラの描写が細かい。
豪華声優陣。
原作のBGMアレンジが非常に良い。
マルスとシーダが出逢った微笑ましい思い出や、囚われのシスター・レナと彼女を助けようとする盗賊ジュリアンのがんばりなど、原作を肉付けしたエピソードが良質。
キャラクターは限られた尺で魅力を出せている。
特にシーダ姫はゲームの印象だと奥ゆかしく分け隔てなく優しいヒロインだけど、本作では無邪気なおてんば姫、マルスに幼い好意抱いたり、マルスに近づく女性に嫉妬したり、年相応の可愛らしい女の子な感じ。
それでいて亡命して肩身の狭いマルスやアリティア騎士団を庇い皆を密かに説得したり、ナバールの刃に身をさらして「その剣で私を好きにして」(原作の名セリフ)と高潔なヒロインぷりも堪らない。
丹下桜ボイスも相まって妹めいた可愛さ。
その他もまだ未熟な弓兵ゴードンの練習風景をカインとアベルが茶化したり、巨漢の重装兵ドーガが読書家だったりと短い交流で肉付けされている。
サジ・マジ・バーツにも見せ場あるのは嬉しい。
【悪い点】
序章で打ち切り。
悪の陣営に抗戦しているオレルアン救援にもうすぐ到着するぞー!で終了。
尺不足で各キャラの交流掘り下げに限界がある。もっと話数が欲しかった。
マルスとシーダは良いが、他は原作踏まえないと物足りず。
マルスは英雄の本領発揮前なのでやや地味、オグマにいいところ持っていかれてたり。
オグマも幼少のシーダ姫に救われたエピソードがワンカットだけ。
ここら辺丁寧にやっていれば更に評価上がっていた。
作画は綺麗だけど、合戦シーンが静止画。
軍記物としてはイマイチ。
【総合評価】7点
シミュレーションRPGの元祖な名作の序章としては申し分ない良作。
このクオリティーで続いていれば素晴らしかっただろうけど、仕方がない。
評価は「良い」