神谷 さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
オタクを捨てる的な?
カバネリ 感想
このアニメを楽しめるかどうか、美馬の内包するファシズムを理解できるかどうかだと思った。
と、思ったものの、このアニメを見ていて思ったことがある。それは演出がものすごい綺麗だが、主人公がオタクに作られているということ。
主人公はオタクで、理解できない存在であるものの、虐められて、突然ある力をあらえられる。
それがカバネリであり、その力を与えられたことで、オタクとは違う無銘とペアを組むことになる。そしてファシズムを内包している登場人物美馬と出会う。
主人公は最初オタクで周りからいじめられているが、無銘がオタクを蹴り上げていることで鍛えられる。
そして俺が思ったのは、主人公の妹はオタクの美少女フィギュアのようなヒロインで、彼女が奪われた記憶が残っているのような感覚になった。
そして弱いやつは死ねという優生思想的な考え。これを教えたのは美馬。
例えば障がい者は弱いから死ねなどはファシズムといえるため、美馬はファシズムを内包していると考える。美馬が、無銘に優生思想を教え込んだというわけだ。
そしてそのファシストから、オタクが虐められ、友を殺される。
そして主人公はオタクのままでいたいが、美馬を倒したい、けれど主人公はオタクを捨ててここで死ぬ覚悟をする。
そして命懸けになったオタクは美馬にしがみつき、そして、怒り任せに攻撃を開始する。そしてファシストを倒す。
好みが分かれるとすればキャラクターデザインだと思うが、そこは割愛する。
進撃の巨人の監督がやってるのでやたら作画がいい。音楽も進撃と同じもん。まあ劣化コピーと言われればそうかもしれないが、このアニメを作ったスタジオの演出力はとても高いものがある。
中身はさておき、このアニメの面白いところは主人公は全てを捨てる瞬間、オタクを捨てるというか命を諦め、もう戻れないかもしれないというところに打ち込むところ。
そこにカタルシスを感じるということだ。
ちなみに敵が倒されるところを見て思わず涙してしまった。少し涙腺が弱いのが原因だが、ああこれが復讐というか、戦いなんだと。
ただ音楽の印象が強く、この感動は音楽のものなのか自分のものなのか自分でもよく分からなくなったというところがある。