テングタケ さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
クセはあるが非常に面白い前半、ラブコメに堕したクソオブクソの後半
前半はとても楽しめました。
人々を大量に死に至らしめる邪悪な樹木、それを復活せんとする謎の魔法使い一族、孤島に閉じ込められた正義の姫、主人公の彼女の謎の死、妹の復讐に囚われたキレた少年、それらが重層的に絡み合って有機的なストーリーを紡いでいます。そして、姫は既に死んでいる?というミステリーでさらに引きつけられます。左門との丁々発止の頭脳戦も見事でした。
主題歌が英語歌詞だったり、あんまり上手いと感じないシェークスピアの度重なる引用など、なんかスカしてやがると思わせるマイナス要素があるものの、十分物語を楽しむことができました。
が、後半になってガラリと雰囲気が変わり、クソくだらないラブコメがダラダラ続き、前半の好感度を木端微塵に粉砕してくれました。
始まりの樹と絶園の樹、どちらが正義でどちらが邪悪か、そんなことは誰も確信を持って言えるはずがないのに、主人公サイドは絶園の魔法使いの言葉を何故か盲信して突っ走ります。考えるな、感じるんだということでしょうか。下らないラブコメに尺を使ってないで、どちらに正義があるのかをきっちりと追っていれば名作になり得たのに。
なんか安いヒーローみたいな格好と陰陽師みたいな格好で戦うのもこっぱずかしかったです。まあこれは、終盤の替え玉トリックで回収してくれましたが。
ラストも、秘められた凄いパワーで逆転勝利という盛り上がらないものでした。
なんか、緻密な前半と比べると雑すぎる後半で、スタッフ変わった?制作局変わった?日曜の朝に移動になった?と訝しんでしまう出来でした。