風紀 さんの感想・評価
4.8
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
メッセージが難しすぎる
CMでとても映像が綺麗だったので、一回目はなんとなくレンタルして見ました。で、感想はというと、「なんじゃこりゃ!」の一言。途中で挫折しそうになったのを覚えています。
しかし、他の押井作品は自分にぴったりだったので、もう一度リベンジ(笑)しました。
唖然としましたね。
1回目ではなんとも思わなかったキャラの動作や言動が心にしみて、途中何度も泣きそうになりました。最後の戦闘シーンは圧巻です。キャラの思いがわかると、こんなに映像って変わるんだな、と思い知らされました。
個人的には世界観も設定もキャラもとてもいいと思います。
ただ、監督は若者に向けた作品と言っていますが、中学生で理解できる人は少ないんじゃないかと。
設定が現実離れしすぎていて(整理が付けば納得できます)、私の場合は頭で整理しているうちに物語が終わってしまいました。見終わった後も「なぜ企業同士が戦争をするのか」、「なぜ大人にならなければいけないのか」といろいろ考えなければ、この作品の言わんとしていることが分からないでしょう。SFとも少し違うし、ジャンルとしても独立してます。
また、人によっては声優の人選に首をかしげる方もいらっしゃると思いますが、これは敢えてギャップを生ませるための人選なのだそうです。勝手な解釈をさせてもらいますと、登場人物(キルドレ)は子供ですから、こんな軍関係の役職に型がはまってはいかんということです。非現実的な設定と現実との矛盾を表現したかったのではないかと個人的には思います。そう思うと、なんとなくしっくりくる気がします。
この作品の問題点は内容が難解すぎますね。しかも、一回見るだけじゃ絶対に理解できない。若者に向けた作品らしいですが、学生でこの作品を好きになる人は少ないでしょう。映画の本質としてはどうかと思いますが、自分の中で一つの結論ができたとき、素晴らしい作品に様変わりします。簡単に解説した本とかが出れば、もう少し評価も上がるんじゃないでしょうか。
哲学・道徳的なテーマが好きな方にオススメです。