jethro さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
機動戦士ガンダムの全てが詰め込まれた宝石箱
アニメは素晴らしい
40年という時を越え再びあのキャラクターたちに出会えるなんて
それだけで感涙ものだ
声のオリジナルキヤストはアムロとカイのみだったが
イメージを壊されることは無かった
古谷、古川、両名とも年齢を感じさせない素晴らしい演技でグッときました
ファーストガンダムを知っていても
資料的に見るだけだったり、見なくなってしまった世代にとっては
違和感アリアリだったかもしれないが
もともと機動戦士ガンダムは、こういう物語なんです
そこから取捨選択しながら、人気のあるものや、そうでないもの
膨らませたり削ったりしながら、閃光のハサウェイにまで高めていったのです。
今回ククルス・ドアンの島を見て
そう、ガンダムってこうだった、これがガンダムだったって
記憶の奥の思い出になってしまったあの記憶が蘇りました
ブライトのどこか非情になれない優しさ
ミライに対する下心見え見えの態度や
スレッガーにふと見せる信頼だったり、嫉妬心
逃避的で憎まれ口、ご存知軟弱者のカイ
セイラの少し刺々しいまでの正義感
今回はスレッガーにビンタでしたが「軟弱者!」と聞こえてきそうでした
恋心や嫉妬などもまだ漠然としか理解していない
まだまだ子供のフラウ・ボウ
だらしなさそうに見えて、実は頼りがいのあるスレッガー
ハヤトの柔道の特技まで見られるとは思わなかった!
母性的な魅力で実はとてもクレバーなミライ
カツ・レツ・キッカがガンペリーに同乗する様子なんて
今のガンダムシリーズだと考えられませんが
きっと「アムロにいちゃんを迎えに行く!」とかいって
ブライトも押し切られたのでしょう
そんな設定が許されるのがファーストのガンダムだったのです
そしてアムロは15歳のガキだったんです
カイの通信を無表情でブチッと切ったり
逃げるジオン兵を踏み潰したり
「なんとかしなきゃ!」と思ったら
方法論の取捨選択なんかする前に直感で行動する
そんなやつだったんです
それが、1時間48分の中にギッシリ見事に収まっているんです
ドアンの話に終始してしまうと思っていた私にとって
これは、とても嬉しい誤算でした
今のガンダムシリーズに失われてしまった
40年前見たあのガンダムのスピリッツがそこにはあったんです
ああ、だから安彦さんはドアンをやりたかったんだ
そう感じました。
今のガンタム世代からすれば
ゆるくて仕方がないかもしれません
でもね
たくさんの子供たちがいてアムロやカイ、フラウも含めて
そしてそこに戦争がある
人が死に、泣き叫ぶ子ども
そんな中でも、子どもたちには笑顔が確かにあり
地面を蹴り、生き生きと生活をしている
それが本来の機動戦士ガンダムなんです
ククルス・ドアンの島は
機動戦士ガンダムファーストシリーズの断片です
だからガンダムを全く知らない人にとって
楽しめるかと言えば否です
全てはそのベースを知っていることが前提となった今作です
でもあえて、それでもやらせてくれとやってのけた
安彦監督のガンダム愛、確かに受け取りました。
だから誰がなんと言おうと
今作は最高だと思うし
安彦監督、これで終わりなんて言わないで
これからもどんどん作り続けていって欲しい
そう切に願います