退会済のユーザー さんの感想・評価
4.8
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
独特の芸術感とよく考えられたストーリー
表面的に面白い出来事で惹くのではなく、出来事に対する
人物の言葉や行動で魅せるのが上手いため序盤から引き込まれた。
物語に浮き沈みがなく淡々と進んでいくのに、ずっと面白い。
作中で唯一ターニングポイントとなる、ジーンを取り巻く異様な環境の真実が
中盤〜終盤になって一気に明かされる展開もシンプルで良い。
ACCAは「変わっていくものと変わらないもの」がテーマの一つになってるが、
これがジーンとニーノが歩んできた道、2人の関係性でよく描かれている。
ニーノの次回予告も例外でなく、回が進むごとにジーンへの
温かな優しさが感じられる。特に8話ラスト、
{netabare}「俺たちの王子は立派になったよ、父さん」
彼の中でずっと生き続ける父、ジーンとの十数年間を思うと
予告だけで毎度ウルっとくる。{/netabare}
淡々と進むとは言ったが、本作は水面下でエージェント同士が動く
ポリティカルフィクション的要素も比重重めで、上述したジーンに隠された真実が
クーデターの核になってるため、謎が明かされた終盤以降、急速に面白くなっていく。
これもやはりドンパチやる面白さとは対極で、静かに作品世界への没入度を高めてくれる。
加えて、音楽と作画のセンスが高すぎる、オシャレすぎて物語が1.5割増で面白く感じる。
オノ・ナツメ先生の原作はタッチがかなり独特で唯一無二の絵柄なので、
綺麗に映像化しているのはマジですごい。さすがMADHOUSE。
ONE III NOTESのop「Shadow and Truth」と
挿入歌「Our Place」はアニメ史上トップクラスのオシャレ曲。
昼下がりにコーヒー飲みながら永遠に聴いていられる。
総じて、もっと評価されてほしい作品日本代表の一角。
綺麗に完結してるので視聴後の満足感は非常に高く、
おかわりが欲しかったら全50分のOVAで再度楽しむのも良き。