nyaro さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:途中で断念した
マンガ版の悪人正機?少年マンガの王道ゆえにオタクには向かない感じです。
一応過去見たことがある作品のレビューは残して行くつもりですが、本作については、見た、という記憶がありますが、それがアニメかマンガなのか不明でした。途中で断念といっても、本作を1話から全部見ている人っているんでしょうか。
ですのでちょっと見返したり、まあ、家の段ボールをひっくり返せば当然ワンピースくらいはあるのでそっちを読み返したりしました。
要するにマンガでもアニメでも中身はほぼ変わりません。主題歌が懐かしくて若干胸に何かがよぎりましたが。
ワンピースは一言でいえば、悪人正機(あくにんしょうき)ということでしょう。「善人なおもって往生を遂ぐ。いわんや悪人をや」です。つまり、悪人のほうが悟れる資質があるという意味ですが、ワンピースってそんな感じが延々続きます。
過去の悲惨な出来事→悪人化→生き残って強敵・大悪党→戦う→解脱という感じですね。このパターンのバリエーションが延々続きます。ときに完全な悪人がでますが、それはキャラというより障害として出ている感じですね。こういう強いだけの悪役キャラはドラマがないのですぐにわかります。
というよりルフィ一味は全員犯罪者ですから、主人公サイドが悪人なのかもしれません。むしろ相手が体制・官軍のことがありますからね。
これってつまり鬼滅の刃ですよね。人殺し・悪人だからこそ救済される、というドラマです。つまり、同じことの繰り返しなので飽きます。鬼滅がきっぱりと見切りをつけたのは大正解でしたね。
ワンピースを見返して思い出しましたが、ニコロビンが一番初めにグループに加わったところで既に飽きてましたね。
本作は「マンガ」です。劇画ではありません。しかも「少年マンガ」です。人体の関節の表現を見ればわかると思いますが、ゴムゴム以外でも肘や手をかなりデフォルメデザイン化して描いています。これは藤子不二雄、石ノ森章太郎的な少年マンガの描き方で、青年以上を対象とした劇画ではないということだと思います。
キャラでナミがエロいとか言われていますが、全くエロくないですね。これはマンガだからです。デフォルメされた人体が女性的な身体で魅力的である、という「記号」でしかないからです。小学生の思春期前の少年ならちょっとやられちゃうかもしれませんが、これを見てエロいとは露ほども思わないです。
ナミがフィギュアとかイラストとかになると急にエロくなるケースがあります。これはマンガ表現としての記号ではなく人間のデザインとしているからだと思います。
つまり、リアリティやテーマ性よりも、少年主人公がいかに苦難をはねのけて敵に打ち勝ち、強くなってゆくのかを延々と繰り返しますよ、ということだと思います。よく勝利、努力、友情といいますが、その通りのマンガです。そこに冒険を加えてもいいでしょう。そしてそれ以上のものはありません。
スパイ×ファミリーと同じでしょう。あれも人体の書き方からいって少年マンガです。そして人殺しをします。でも、いいんです。必要なのはリアリティとか常識ではありません。
キャラたちが痛快にドラマを見せてくれることが価値になります。キャラ萌えしてしまえば、人殺しとか関係ありません。人殺しという行為そのものが設定やイベントであり、キャラの「記号」としてしか作用しないからです。殺される方はNPCです。人間の内面に踏み込む必要がないマンガだからです。
だから、ワンピースを面白いと思う人とかなり共通するのではないか、と思います。つまり少年向けということです。女性に受け入れられやすいとも言えます。これも鬼滅、スパイファミリー、ワンピースと共通ですね。
(ただし、鬼滅は違う要素もあって必ずしもジャンプ的少年マンガと言い切れない部分がありますが、それはここでは述べません)
ということで、本作は超メジャー作品ではありますが、低年齢層向けか、かなりメジャーな作品を楽しむ女性向け(アニオタ属性の人は含みません。もちろん。人気のドラマとか見る層かなあ)といえると思います。
SFとか異世界とか日常とか癒し系とか喜んでいるオタク属性の私にとっては、初めのごく初期は楽しめましたがちょっと違う感じでした。