nyaro さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
かなり面白い。3DCGが不思議と今敏的な世界観とマッチしている。
整形大国韓国だからこその整形批判…という点はもちろんあるでしょう。ですが、サスペンスホラーとしても相当面白いです。感じとしては、パーフェクトブルーに近いですし、結末はマルドゥックスクランブルのあるエピソード的な感じですが、いつもの真似という感じは全然しませんでした。
ストーリーに真似があるとすれば「ヘルタースケルター」でしょうか。でもまあ、どちらかと言えばやっぱり今敏ワールドですね。
ネット社会的な風刺や、見た目に関する劣等感の問題も入ってます。やっぱり韓国はエンタメに仕上げるのは上手いですね。
CGの方向性をリアルの人に寄せていますが、これが不思議なくらい見苦しくないです。これを実写でやったら見てられないくらいの猟奇な感じがありますが、このCGの頃合がなかなかマッチしていました。
つまり、社会的なテーマ性があるし、ストーリーが練れていて想像以上に面白いし、こういう本格的ヒューマンドラマのアニメが目新しいし(あるいは今敏以来)で、低予算っぽく見えるわりにかなり評価できました。
こういうのが作られるなら期待できますね。
ただし、です。韓国のエンタメ市場はドラマがほぼ9割くらいらしいですね。その他は映画です。ですから、アニメの市場は極めて小さいそうでアニメは発達しづらいんでしょう。
それと、マンガアニメは「バカの壁」の養老孟司先生曰く、漢字ーかなの混合文字文化と大きくかかわっているらしいので、漢字を捨てた国では日本的アニメは発展しないでしょうね。
こういうシリアスなドラマ風のサスペンスのストーリーは大したものです。この方向性で3DCGアニメ作ったら面白そうですね。今敏的世界感とマッチしていました。
ただ、市場性ですよね。日本人くらいアニメマンガが好きな民族はいないでしょう。文学からして村上春樹とか芥川とか夏目とかマンガ・ラノベですから。
韓国は前述の通りアニメ市場が厳しい。アメリカはこの手の作品なら実写ですよね。欧州はもっとアニメアニメしたほうが受けますし。となると日本ですけど、日本人なら韓流ドラマでしょうね。つまり、売り手がありません。
結論としては、同様の作品があれば見たいと思うレベルの作品でした。ただし、作成が続くなら、ですね。