てとてと さんの感想・評価
3.5
物語 : 2.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
ユニークな神々のセカイ系家族ドラマ?独特な魅力は捨て難いが、難解故に感動しづらい
京都を模した異世界を舞台に、神(神道と仏教?)たちの家族の再生神話?的な物語。
【良い点】
一組の親子家族のドラマで一つの世界創造してしまう、セカイ系SF?
本作独自の世界観、神道や仏教ベースに平行世界などのSFも組み込んで独自の世界創造神話を構築。
世界最古の漫画?な鳥獣戯画をモチーフに?絵の中に世界創造した神々の神話。
血の繋がりを超越した、神々が親子そして家族になっていくホームドラマ、神話的アニメーション。
面白さはともかく、独自の神話体系構築して見せたのはアニメ作品として凄い。
良し悪しや好き嫌いは度外視しても、特筆に値する力作なのは分かる。
浅学な自分には難解だけど、キャラ名の元ネタとなる神仏の逸話を活かしていると思われ。
そこを踏まえると良く練られた物語かも?
京都をファンタスティックに改変した鏡都の描写、奇想天外なドタバタを描いた作画アクションの外連味抜群。
コトが縦横無尽に暴れまくるアクションシーンは楽しい。
やや込み入っているが通してみれば、親の愛情や、子が親の愛に飢えながら成長し反発し自立した末に、本当の家族になっていくドラマなんだろうな?とは分かる。
永劫の時を生きる?神々ならではの切実さ、一つの世界の存亡とリンクする家族愛のスケールも何となく印象的。
釘宮氏はじめ豪華声優陣。
楽曲もかなり良い。OPは記憶に残る良曲かつ(何となくだが)テーマを突いている。
【悪い点】
世界観もストーリーも極めて難解。
ただでさえ難解な世界観や設定なのに、時系列も弄っていて分かりづらい。
何となくいい話なのは分かるが、何となくしか分からない。
キャラの掘り下げや交流も一部除き全く足りていない。(キャラ評価減点)
通してみれば神話的家族愛の尊さは何となく伝わるものの、何となくしか伝わらず。
薬師丸と明恵上人と古都の関係はちゃんと描かれていたが、他があやふや。
鞍馬と八瀬の掘り下げ回は一応あるが難解。
(この点はwebアニメ版も踏まえると補足はされているが)
その状態でコトが暴れまわる→神社なる上位次元の管理者?とバトル?など難解で唐突な展開が続き、家族ドラマもぼやけてしまった。
鏡都の描写もコトたちにとっての箱庭の域を出ず。
定命のゲストキャラと薬師丸が交流するエピソードは良かったが、他に印象的な話が無い。
神話体系と家族ドラマどちらも10話では尺不足かつ噛み合っていなかった。
話数が短すぎる故にドラマに厚みが無い。
【総合評価】3~2点
楽しむ上で求められる教養や見識のレベルが高過ぎる難解アニメ。
記憶に残る力作ではあるし、繰り返して視聴してみる価値を感じる魅力もある。
ただ、これまで数度視聴してみて未だに、難解なネガティブさが拭い切れず。
自分の理解力不足も悪いけれど、難解なのはエンタメ作品としては好きではない。
評価は悪い作品ではあるまいという事で「普通」