nyaro さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
大枠は悪くないが、エピソードに乗れず感情移入できませんでした。
SF設定や人物配置とキャラ造形はなかなか面白いと思います。ただストーリーが付いて行けていない感じがしました。
とにかくアイデンティティの問題をやりたい。それは「ゴースト」つまり魂の問題でもあるし、人間とは何かという問題でもあります。そこはいいんです。AIアンドロイドものの定番テーマです。分裂した自分の存在とは?あるいは2重人格の統合問題にも通じるところがります。
若干テーマは古い気もします。なぜなら答えは決まっているからです。問題はストーリーをどう畳むかですね。
この点が捻りもないし、そもそも彼らが一生懸命やっていることに乗れません。
それは、細かくはネタバレになるのでいいませんが、人の行動の理由がとにかく企画・プロット通りに話を進めたい、という感じで不自然です。キャラ達の言動に納得感がないので、共感できないしつまり感情移入できず、感動も薄くなってしまいました。説明セリフも多いですし。
ストーリー的には、そこまで生物化学が発達していて本人を連れて行くしかない、という対応方法にまったく説得力がありません。IPS細胞とか考えるとそうじゃないだろ、という感じがしました。
もう1人の隠れヒロインの解決方法も「え、科学者が間抜けなだけじゃん」と思ってしまいました。
重ねて言いますが、大きなストーリーの流れとかやろうとしていること、テーマなんかは悪くないです。ただ、エピソードの一つ一つに首を傾げます。
それと、キャラですけどキャラデザは、「ガルガンティア」と同じ鳴子ハナハルさんというアダルトマンガ家で、エロ可愛いです。パンツもたっぷりです。セーラー服で決死の突入がなかなかシュールです。
ですが、妙に頭がデカいのと、ヌメッとしていてちょっと不気味です。ガルガンティアほど秀逸感はなかったです。特に学生服の彼の違和感が結構半端じゃありません。
あと、プロ集団にしては全員騒がしいです。ヒロインはまだ素人JKですからわかりますが、戦闘集団にせよ科学者にせよもう少し落ち着けよ、という感じがします。ここも人間描写の不自然さにつながっています。そう職業としてのそれぞれのキャラの行動が単なる我儘な人間の集まりでした。
黒部ダム周辺の渓谷を舞台にしたのはちょっとカッコ良かったですね。宇奈月温泉とかいいですね。EDの絵もなかなかでした。
ギロチンも兵器としては意味がわかりませんが、ダムを使って何かやりたかったのはわかります。
総評すると、大きな枠組み、プロット、SF設定、キャラ造形は悪くないです。テーマも使い古されていますが、まあ、まともだと思います。ただ、キャラの行動に説得力がなく、一つ一つのエピソードに乗れない感じです。つまり感情移入できない=のめり込めませんでした。
面白くないとはいいませんが、事件の解決と結末のためにいろいろやったんでしょうけど、正直初めの数話からどんどん醒めて行く感じです。