ねるる さんの感想・評価
4.0
物語 : 3.5
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.0
状態:観終わった
後世に残るであろう、人間の根底に迫るSF大傑作。
原作小説未読。
ノイタミナの“Project Itoh”の一環として『虐殺器官』、『ハーモニー』と共に劇場アニメ化されることが決定した作品。
WIT STUDIO制作。上映時間120分の壮大なSF作品。
~あらすじ~
"死者蘇生技術"が発達し、"屍者"が労働力として活用される世界。主人公"ワトソン"は、親友"フライデー"の言葉を証明するために"ヴィクターの手記"を巡り旅をすることとなる。
人が犯してはならない領域とは、魂とは、死とは、人間という生き物の本質を問いかける作品。
物語は、テーマが重く暗く救いがないので見てて終始苦しかった。死者蘇生という、もしかしたら有り得たかもしれない世界、これから先有り得るかもしれない世界のお話と思うと暗くて悲しくて辛くて、中々しんどい作品でした。
根本的な部分に目を瞑り、手近の目に見える範囲の救いを求めて始めた行為がどうしようもない結末を産んで、それによって身を滅ぼすという人間の様が描かれ、まじで救いがなかった。
けど、テーマ自体は面白く物語も中盤までは丁寧に進むので、理解できない所もありつつ、集中出来ましたが、ラストバトル辺りは全くついていけなかったです。終始?でした。理解が及ばなかった。
作画は美しく、風景が特に綺麗でした。自然の強さ美しさを感じた。日本刀で戦うシーンも思わず見惚れる迫力でした。凄く良かった。
声優について、少数精鋭という感じで1人1人がとても素晴らしかった。特に、主人公の親友役の村瀬さんの、言葉が出せない演技、なんとも言えない悲痛な声にならない叫びの演技がとても心に響きました。どんなに苦しいんだろうと、言葉にはセリフには出てないけど、役の心理に迫るものがあり、役者として演技として素晴らしいものでした。感動。
この作品、1回見ただけだと理解しきるのは難しいと思います。答えが作品の中で出てる訳ではなく、視聴した人間に、問いかけ考えさせる事がこの作品の目的と思うので、何度も見て考えることで新たな良さが見えてくるのではと思いました。まじスルメ。
物語、作画、演技、メッセージ性、とても力の入った記憶に残る、後世に残るであろう素晴らしい作品でした。
頭は使うし、心は疲れるしで、かなりしんどいけど見る価値はあると思います。時間と元気がある時にぜひ噛んでみてほしい作品です。