レオン博士 さんの感想・評価
3.4
物語 : 5.0
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 1.5
状態:観終わった
話はとても面白いけど、設定と主人公の性格が気になる
【最初に一言】
1話冒頭で、マインに魔道具装着して過去を覗き見るという導入はいきなりすごく気持ち悪かった
【感想】
設定や主人公の性格と目的に気になる点が多いので結構酷評もしていますが、面白い作品だと思います。
シナリオは◎、キャラと世界観設定と作画は△
知識チートですが、思うようにいかないところも多くて退屈しません
文明が現実よりかなり遅れている異世界で新しい物を作ってだんだん生活が便利になっていき、協力者が増えていくのは雰囲気が良くて好きです
それと、主人公の目的が「本」に集約されていて関係ない分野の技術はそんなに取り扱わないので話のまとまりができています
ただ、本好きとタイトルにあるので先入観でもっと知的な話なのかな?と思ったら
その割には主人公にそんなに教養や良識がなさそうに見えるのと、文学とは無縁な話なのが少し残念ですが、思っていたのとは違うけどいい話でした
2期も視聴済で、3期は視聴中です、1期より2期3期のほうが話の面白さは減ったけど、主人公への好感度は2期3期のほうが高いかも
いい話で面白かったけど、ここから下はかなり細かいことばかり言ってて酷評気味です
この作品が好きな方は読まないほうがいいかも
欠点を挙げると {netabare}
1部の割と後半になるまでの主人公の性格はかなり自分本位であまり好きになれる性格じゃないです、本が関わってくると急に周りが見えなくなってかなりワガママになります
この子ホントに本作ること以外まったく見えてないんだなーってストーリーのいたるところで思いました
また、本がないなら作るっていう発想はいいけど、本を作ることそのものが目的っていうのは共感できなかった、
しかも、途中までルッツと一緒に本を作って売るって目的だったのに、図書室の存在を知ったらルッツとはいいお友達をキープしつつ神殿に行くことしか見えなくなるところとか、他人の人生を振り回しておいて結局自分の願望しか見えてないんだなって思うとねー
前世でラノベが好きだったからとか、本を書く文化を定着させたいとか明確な目的があるなら良かったけど、マインはどんな本が好きなのかさえわからないし、本を作って何がしたいのかが不明なまま本に取りつかれているのが最後までよくわからなかった {/netabare}
【世界観の設定はちゃんとしてるところと奇妙なところがある】 {netabare}
中世欧州のような世界観を反映してか、入浴の習慣がないことや、衛生的でない描写があることや、算数の公式もないのはちゃんとしてると思った
ただ、街の様子を見るとすごく計画的に立派な建物が立ち並んでいて、とても文字や紙が普及してない文明には見えないんですよ
文字が普及してないのに窓とか建物の作り方に統一感がないのも気になる、
現実の文明だと、時代と地域によってある程度建物に統一感があるんですよね、でもこの世界の街の建物はあまりにもバラエティ豊かすぎて不思議
あと文字はあるけど本が普及してないっていうことは、民衆には文字以外の文化が発達していると思うんですよね、歌とか踊りとか賭け事とか
この町の人達って、何かに不自由している様子がないんですよね、みんなやたらと生活に余裕があるように感じます
それなのに娯楽のようなものがなさそうで、生活に不自由してないなら自然とそういう文化も発展するものだと思います
そんな様子もなくて、街の人達はどんな生活しているんだろー?って想像してみたら、時間が停止した世界に見えて奇妙だと思った
{/netabare}
【1話のマインの様子は不自然なことが多い】 {netabare}
1話でなんでマインは母親には本のこと聞かないの?聴いてみればいいのに
「もしかして、この世界の本って高い?」「どうして文字が一つもないの?」
この疑問はかなり不自然かな、その前に疑問に思うことは色々あると思うけど、まず家の作りとか、家具からここがどんな世界なのか知ろうとすると思うし、自分が死んだ後にどうなったか考察を普通はするはずで、普通の発想だと違う国に生まれ変わった?
その次に考えるのが、違う星?とか、昔にタイムスリップしてる?とかだと思って、異世界だと決めつけている感じがするのはかなり不自然
その後に細い棒を求めてまず人形の足を折ろうとすることもかなり変、まず細い棒がないか聞くのが普通じゃないかな?
街の様子をはじめて見たときも、この世界が昔の地球のどこかの国なのか完全な異世界なのかの考察もしないし、
どれくらいの文明レベルがあるのかとか、そういうことは考えず本と文字のことにしか関心がないみたい
本好きなのはわかったけど、本が好きなのに知的好奇心がほとんどなさそうなのが不思議に思った
もしかして、本の中身には興味ない人なの? {/netabare}
【マインは本当に本好きなの?】 {netabare}
マインの知識はかなり偏りがあるように思います
元の世界で読んでいた本は好きなジャンルだけだったのでしょうか?
もちろん本が好きだからって何もかも知ってるわけじゃないのはわかるけど、本好きと称するからには、文学とか歴史にもう少し長けている主人公が良かった
{/netabare}
【作画】
原作は大人気のようですが作画はあまり質が良くなくて、魅力が十分に表現できていないです、特にキャラクターの顔が気になることが多かった
あと、マインがむくれたときの顔が絶妙にかわいくない
【キャラクター】 {netabare}
すべてのキャラクターがマインの都合のいい人すぎるのが気になります
転生前が女子大生だそうですが、かなり精神的に幼い行動が目立ちますね、身体の幼さに影響受けてる?
周りが優しいキャラクターばかりで甘やかされてちょっとわがままが過ぎるかなーとは思いました
友達のルッツとか姉は同年代のはずなのに、マインよりよほど大人びているのも変
例えばパピルスですが、自分ひとりで作ったわけじゃなくて家族の力を借りて作ったわけで、そんな家族の協力を、本づくりに役に立たないと判断してゴミ箱に捨てたのはとても不快に思った
かと思えば粘土板のエピソードで、事情を知らない男の子達に自分の作った粘土板を踏まれて怒るシーンでほぼ共感できなくなりました
1部の序盤~中盤は特に、いつも身の回りの人がみんな協力してくれるのに甘えっぱなしで態度や言動がその恩を感じてないように見えました
周りからチヤホヤされて甘やかされるのが当然と思っている苦労を知らない女っていうのがこのマインの印象であまり好きにはなれなかった
でも最後のほうは家族愛が本より上回っていて、ようやくマインもまともになったなーって思いました
{/netabare}
【シナリオ】 {netabare}
恋愛よりも、家族愛や人の優しさと、ちょっとした文明発展と商談の面白さがあります
話はわかりやすく、奥深さはないけどテンポよく話が進み、主人公の目的がはっきりしているのでとても視聴しやすいです
全体がうまくまとまっているし、少しずつ話に広がりを持たせることで説明多めでも入りやすい
まったり視聴できるタイプの話と思いきや、唐突に結構重いエピソードがくるのでビックリした
人の業の深さを感じさせられ、不快でしたが、ずっと平和で優しい世界じゃなく変化もあるのは面白いと思った {/netabare}