IRON さんの感想・評価
3.2
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 4.0
音楽 : 2.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
難解 公安9課敗北
目盗まれっぱなし裏かかれっぱなしで公安9課完全敗北。
それほどまでにポストヒューマンの能力は高く、特異である。
最終話に向けてかなり話は難解になる。2周は必要かも知れない。小説「1984年」を知らないと、思想警察や101号室といったネタもわからないと思うが、まぁそこら辺は大して重要ではなかった。wikiでOK。
CGクオリティはやはりそれほどでもない。
音楽については大変不満。考え過ぎ、捻り過ぎではないのか?
声優は安定のレギュラーメンバーたが、荒巻大輔のcvは変更となった。元々の阪脩さんも91歳。こればかりは仕方がない。cv変更により、厳格で冷徹な雰囲気が少し和らいだと思う。
ポストヒューマン達はほとんど喋らないので、新キャラである江崎(潘めぐみ)とオモシロ(津田健次郎)のウェイトが高い。今までになかった雰囲気のキャラ達なので新鮮ではある。
{netabare}
ラスト、少佐はタカシのケーブルを抜かなかったと理解している。
技術的特異点を迎え、9課は敗北し、世界には大きなパラダイムシフトが起きた。元々ダブルシンクに近い状態であった少佐のような人間のみが元の自我を保ち続けているのだろう。そして案の定、少佐はネット広大云々でどっか行った。安定の放浪癖。
SACシリーズは、機械にゴーストは宿るのか?という魂の在処が一つのテーマだと思っていたのだが、江崎プリンが死亡し、後に疑似人格アンドロイドとして復活してから後、度々「ゴーストは無い」と言い切ってしまう所が何とも虚しい。江崎の外部記憶を閲覧して涙を流し、さらに江崎を慮って自らの記憶を消去したタチコマにも、ゴーストは無いんだろうか。悲しい。
SACは社会問題とSFという組み合わせで展開してきたわけだが、今回も「持続可能社会」という流行りのSDGsを取り込んでいるものの、物語がこういう閉じられ方をすると、もはや社会問題もヘッタクレも無い。人類が皆摩擦ゼロの快適な白昼夢を見ながら生きる世界となった。こうなってしまったら、時系列の繋がった続編はもう作られないのではないだろうか。世界全体が変容してしまったので、これをひっくり返すのはかなりの力技か、お決まりの「他の世界線」が必要になるだろう。
わかんない所もたくさんある。新東京でトグサの逃走を助けた女の子。あれはタカシの学校で死んだ子だろう。身のこなしからみてポストヒューマンだと思われるが、あれは何だったのか。見せられていただけか?
あとトグサの義体化ってどうなった?SSSじゃ単身でアームスーツを制圧していたのに、今回かなり人間っぽかったが。
{/netabare}