nyaro さんの感想・評価
3.1
物語 : 2.5
作画 : 2.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
超テンプレストーリーで作画はひどいですが、まあまあ見られました。
一応2期ということになっていますが、内容や時期から言って分割2クールで実質1期だと思いますのでまとめて書きます。
非常にテンプレ感が強い内容です。「ちはやぶる」「響け!ユーフォニアム(連載開始はユーフォが後発)」などと比較してどこが違うんだろう?という感じです。もっと言うと「ガルパン(本作の原作とほぼ同時期)」でもあります。真似をしたと言っているのではなく、独自性がないということです。類似性を上げればもっとあるでしょうがキリがないのでこの辺で。とにかくストーリーに目新しさは全くありません。不良って…いつの時代?
特に恋愛パートはまあちょっと恥ずかしいくらいですね。転んで〇〇って…それと怪我して演奏が…私のせいで…も、昭和か?という感じです。
「道」あるいは「伝統芸」に関する深みもないと思います。ただ因習というか執念・執着のある人たちが騒いで最後はメインキャラたちのひたむきさに心を入れ替える的な感じでずっと進みます。
まあ、ヒロインが作った曲が…みたいなモチーフはありますが、よくよく考えるとまあ「のだめ」のダークバージョンです。
楽器が上手くなるプロセスも根性論ですね。「響け!ユーフォニアム」で取り上げた「吹奏楽」は結構みんな経験が浅い人が多いので高校デビューでも相対的に指導者で上手くなるらしいですけど、本作は筝ですからね。一音一音の練習のところで覚醒してましたが、それって「気合い」?
少なくとも本作を見て筝の世界に憧れるような、描かれ方はできてません。モチーフは筝でなくて、長唄でもバイオリンでもお茶でもなんでもいい感じです。
曲は私は筝曲の良し悪しを聞き分ける素養を持ち合わせていないので、そういう解説は欲しかったですが、人の表情とエフェクト、過去のシーンでごまかされた気がします。
一応ユーチューブで曲は何度か確認しましたが、いい曲だと思いますが、レベルが正直わかりません。みんながすごいとモノローグで褒める「ガラスの仮面」の手法ですね。
ただ、この時でてきた「堂島」さん。この人の因縁とキャラだけは凄みがあって良かったと思います。内面の動きも自然で納得感もありました。サリエリ的な役割でまあテンプレといえばテンプレですがなかなか良かったと思います。
この人の特訓で筝の世界の深みを見せてくれるかなあ、と思ったら急にみんな上手くなって終わりでしたね。
他校のライバルたちも「すごいすごい」と言葉で言われているだけで大して活躍しません。
アニメの出来です。作画の乱れ。後半の方がひどいでしょうか。琴の演奏シーンのパースとか人体描いてる?という感じです。
ということで、客観的に見るとひどい話だし、ひどい作画のアニメです。
でも、不思議となんか見られましたね。少女マンガテイストなせいなんでしょうか。まあまあ面白いんですよね。特に「ちはやぶる」的な面白さは感じました。
スポコンの正統派の熱さが、多分醒めた少年・青年漫画には向かないのかもしれません。むしろ女性作家が照れずに熱く描いたほうがストーリーとして面白くなるのかもしれません。
ストーリーもアニメとしても見て損はないと思いますが、既視感がすごかったですね。
それを照れずに描いているので、超薄味の恋愛と性格悪いライバルの改心、みんなでがんばったから結果でた!という昭和的スポコン+間違って〇〇しちゃった的な小学生的恋愛、親との確執みたいな少女マンガストーリーが好きな人にはお勧めかもしれません。