esm24722 さんの感想・評価
4.9
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
百合SFと△関係(毒親問題)
ヴァンパイア、百合SFと流行のモチーフを使いながら、昨今の毒親問題の究極な形を扱い今日性も帯びた物語に昇華させたwitstudio。
「人間はなぜ、自分の似姿(=人形)を造ろうとするのか」(イノセンス)この作品の中の登場人物は見事に自分の過去をトレースしてモモ(主人公)に押し付けようとしてくる。これはモモが未来を作る物語だ。誰に何を言われようと、邪魔されようと、運命に負かされそうになっても抵抗し、彼女が自分自身の未来を掴み取る話なのだ。にしてもCパートは飛躍があり根拠は薄いと思うけども。ああいう描写にすることは理解できなくなない。
この物語は5話から成り、1話が30分以内。にも拘らずスケールは劇場作品並みで密度が濃いです。普通のアニメ3話分がこのアニメの1話の満足度と言っても過言ではない。プロダクションIGが長年に渡り製作しているbloodシリーズで培われた、翼手のデザイン、銃器や刀アクションが遺憾なく発揮され、戦争モノの描写も見事で、実際の戦争シーンに引けを劣らない描写が見れるでしょう。
話数が変われば一転、少女たちのロードムービーで微笑ましいやり取りが貴方の心を温めてくれるに違いありません。小林ゆうさんの声の演技と相まってシュールなギャグシーンも有り、この関係がいつまでも続いて欲しいと、そんな有りがちでささやかな絶対に叶えられないフラグを幾つも立てて、それでも願わずにはいられないとても愛くるしい少女たちの逃亡譚。楽園を目指す物語。彼女たちの楽園はどこに存在するのか?本当にそんな希望が存在するのだろうか?是非貴方の目で見届けて欲しいと思います。大人たちに抗う少女たちの物語を。