ひろたん さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
惨劇は思いもよらない結末へ。
パチンコのプロモーションOVAと言うことで期待はしていませんでしたが・・・。
見事にその予想を裏切られました。
前作OVAの「礼」、「煌」よりも、「ひぐらし」っぽいです。
それでいて、「ひぐらし」っぽくない結末がまた新鮮でした。
■「惨劇は思いもよらない結末へ。」
{netabare}
この作品のキャッチコピーです。
まさにその通りの内容でした。
物語は、1時間ですが、ちょっとした映画を観た感覚になれます。
終わってみると物語の展開や結末も映画でよくある王道ストーリーだと分かります。
でも、それは終わってみて初めて気付くことです。
観ている最中では、確かに思いもよらない結末だったと感じます。
しかも、「ひぐらし」だと思って観ていると、余計にそう感じてしまいます。
そして、王道と言うからには、そこに定番の面白さもあるわけです。
それを、「ひぐらし」の世界で見せてくれたと言うのがまた面白いのです。
{/netabare}
■「you -Visionen im Spiegel」
{netabare}
癒月さんが歌う主題歌です。
原作ゲームにおいては代表曲であり、人気のある曲だそうです。
とても清々しくもあり、荘厳でもある、とてもよい曲です。
しかし、TV本編では、全く使われていませんでした。
私は、ゲームは知らないので、この曲をこの物語で初めて知りました。
なぜ、こんなにも良い曲をTV本編では使わなかったんだろうと思います。
確かにTV本編の陰鬱さとは180度違うので合わなかったのかもしれません。
しかし、この物語では、この曲をエンディングに据えました。
すると思いもよらない結末とこの曲とが相まってとても清々しい余韻が残るのです。
{/netabare}
■「世界の終わり、これが新しい始まり」
{netabare}
この物語のテーマは、意外と重めです。
自然界では、弱いもの、変化に適応できないものは淘汰されるのが当たり前です。
しかし、人類は、自然の一部でありながら文明により淘汰の例外としてきました。
そのツケが今支払われようとしているのです。
それをお馴染み「雛見沢症候群」と結びつけて物語が展開されます。
そして、物語は、「世界の終わり、これが新しい始まり」と言う結末に向かうのです。
一昔前は、ただのファンタジーだと思っていた内容です。
しかし、コロナ禍によりそれが意外なほど身近だったことが分かり怖くもあります。
「世界の終わり、これが新しい始まり」この言葉に、より重みを感じます。
{/netabare}
■まとめ
「礼」、「煌」のようなお色気やおふざけ等はなく、意外と重めな作品でした。
内容は、「ひぐらし」らしくもあり、「ひぐらし」らしくもない、そんな展開です。
1時間と短い尺のため、少しあっさりとしているかなと感じます。
「ひぐらし」としては、確かに物足りなさを感じるかもしれません。
でも、私としては、この結末でいいんじゃないかと思いました。
そして、そんな結末に主題歌「you」がとてもよく合っています。
この曲を好きな方は、観ても損はないと思います。