TaXSe33187 さんの感想・評価
2.5
物語 : 2.0
作画 : 2.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 2.0
状態:観終わった
練り込み不足
宇宙からやってくる敵から地球を守るため、超古代のロボを操る女の子の話
舞台設定も大筋の部分もまぁありがちなやつ
でもその「ありがち」をうまく使いこなせてない印象
パッと目につく部分としては、そもそも1クールのアニメに纏めきれる設定じゃないって点
超技術を持った宇宙人が外敵に追われて地球にやってきて、
それが各地の神話や現在の人間の遺伝子に受け継がれていて、
この受け継がれた遺伝子がロボット「ジーズフレーム」の搭乗資格になっている
物語開始前の初期設定の時点でちょっと複雑すぎかなと
敵がネルガルであることやシュメールの血筋が云々なとこで設定の推測は出来る
でも、この設定が文字通り「舞台設定」に留まっていて、重要なのに本筋に絡まない
{netabare}この初期設定に限らず、行方不明の姉やらマジックやらアイドル的な何かやら、変な設定を盛りすぎ
話自体も地球から木星までの往復って長旅を軸にしてるので、話数が足りていなかった
訓練生の生活、月〜火星の航路、火星探索、木星探索、地球への帰還、最終決戦
ここに「ふわふわ」だの地球での動きまで入れているせいで全てのイベントが唐突になっている
話のスケールを大きくしたいなら、話数自体もちゃんと多くとるべきだった
オチの付け方もかなり強引で、「とにかく先送りに出来たからヨシ!」エンド
話の根っこはすごくシンプルで、地球(ひいては古代に飛来した人々)がやべーモノを使ってたって話
このまま地球がそれを使うと宇宙規模で危険だから、物理的に止めに来たのが物語の敵
環境問題にも近い、「今ある生活と未来への影響」を天秤に掛ける内容
現実社会でも問われ続ける問題なので、テーマに据えるのは簡単でも結末を作るのはかなり難しい
例えば「エガオノダイカ」はコレを
「エガオスイッチでエネルギーは放棄、でもなんか生活できるからヨシ!」でぶん投げた
勢いで全部解決してエガオになるラストは酷いけどネタにはなった
この作品の場合は、
「問題のエネルギー源はむしろ増産するけど、敵は次元の彼方に閉じ込めたからヨシ!」でぶん投げ
いやいやいやいや……
宇宙がやべーんだから増産してる場合じゃねーよと
猶予を作って代替エネルギーを開発するってのは、ある意味で現実的ではある
でも敵の本拠も今あるシステムをどれだけ使える猶予があるかも不明ってのは投げすぎだろうと
何がどうなってるのかがかなり曖昧なので、オチの強引さをネタにするのも難しい
この辺も話数が足りないで諦めた結果なのかな…
あと気になったのは主人公の言動
基本的に命令に従わないで暴走するだけ
そのせいで何か盛り上がってる場面でもメリハリがない
また、主人公の行動が地球存亡の危機を招いているのに、そこに何もお咎めがないのはちょっと…
{/netabare}
作画やCGは正直良くない
{netabare}見た目は綺麗だけど動きに説得力がなかったり、宇宙を加味しても質量を感じられない
加えていて言えば敵との戦い方が距離を取ってビーム一辺倒なので、ビジュアル的にも薄味
「画面いっぱいに敵がいて焦るコクピット」の場面が多用されていて、
戦場全体の状況がかえって分かりづらいのもマイナス
神話をモチーフに色々な動物の形態があるんだけど、宇宙での戦闘ではそれが活かせてない
特に四足歩行型は宇宙で藻掻くだけってのは勿体なかった
惑星で地に足をつけて戦闘する場面があれば面白かったかように思う
致命的に悪い感じではないんだけど、とにかく動かし方と見せ方がもったいなかった
{/netabare}
総評としては、悪くないけど及第点にはまだ届かないって感じかな
話の軸がシンプルだから見ていてストレスまではいかないけど、
ビジュアル的な盛り上がりがないのが何より残念だった