「takt op.Destiny タクトオーパスデスティニー(TVアニメ動画)」

総合得点
71.4
感想・評価
324
棚に入れた
929
ランキング
1356
★★★★☆ 3.5 (324)
物語
3.2
作画
3.9
声優
3.6
音楽
3.6
キャラ
3.5

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ネタバレ

てとてと さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

音楽の力で戦うバトルアクション。やや地味だが良作

謎の侵略生物の攻撃で壊滅後に復興しつつあるが、侵略生物は音楽に反応し活動再開する為音楽が出来ない世界を舞台に、音楽(クラシック)が具現化した?ムジカートという戦闘少女と、マエストロ(人間の指揮者)がコンビを組んでバトルする。
侵略生物D2に幼馴染の女の子を殺された主人公が、幼馴染そっくりのムジカートの運命と出逢い、彼女のマエストロとして戦いながら、対D2本部?のあるニューヨークを目指すロードムービー。

【良い点】
音楽、クラシックを主軸に据えた世界観。
楽曲とバトルで世界観を構築できている。

作画がかなり綺麗でキャラデザも戦闘アクションもハイレベル、アニメーションで世界観とドラマを作れていた。
戦闘シーンの素晴らしさと、主人公ヒロインの絆の強さがきちんとシンクロしていた。
終盤は主人公側が命を削りながら絶望的な強敵と死闘、絆と想いの力で道を切り開く。
男女コンビのバトルアニメのお手本。

ストーリーはポストアポカリプスで北米舞台に敵と戦いながら目的地目指す「機甲創世記モスピーダ」を少し彷彿とするロードムービー。
バトルや個々のエピソードを通じて、幼馴染を失い音楽に向き合えなくなっている主人公タクトが、見た目同じで中身が違う運命ちゃんを拒絶から次第に受け入れて大切な存在になっていくドラマが丁寧。
運命はコゼットではない。タクトが過去と現在を受け入れ、戦い、未来に想いを託す物語。
もう一人、コゼット(亡くなった主人公の幼馴染)の姉のアンナも、運命をコゼット呼びから運命と呼ぶ8話前後のエピソードが特に良い。
主人公ヒロインどちらも内向的で不器用だけど、徐々に絆が芽生える。
旅と戦いを通してタクトも運命も成長し、命を削りながら生き、希望を繋ぐ。
原作ゲームに繋がる前日談として完成度が高かった。

主役コンビだけでなく、もう一組の男女のドラマも泣かせる。
レニーの死と笑顔で見送るタイタンのシーンは2021秋アニメ屈指の名場面。

ムジカートたちが非常に可愛い。
運命ちゃんは無感情系ヒロインで、常識に疎く破天荒な言動行動で着々と可愛げが増していく。
毒舌、甘いお菓子大好きなど、無感情系とのギャップで大変可愛らしい。
主人公の師匠ポジのオカマの、パートナーな巨人(タイタン)ちゃんも劣らす可愛い。
見た目も性格も、またパートナーとの関係を丁寧に掘り下げていて、次第に信頼関係が結ばれ、お別れのシーンの悲しさに繋がる。

音楽による希望の明るさが出ていて、主人公の暗さに対して前向きに後押しする雰囲気も良かった。
運命ちゃんが頻繁に器物破損するのがコメディーになっていて、シリアスを緩和していた。
常識人なアンナの存在も大きい。
それだけでなく、音楽を生きる希望や愛する者への想いに変えて様々な側面から象徴させているのも良い。
地味な個別ストーリーでその点が活かされていた。

声優陣も若山詩音氏のダウナー系がハマっていた他、タイタンちゃんの伊藤美来氏とレニーの日野聡氏のコンビも良かった。
「白い砂のアクアトープ」に続いての上司と部下だけど、こちらの日野氏は副館長と違い理想のパートナー。
ティンガーラ副館長は見習ってほしかった…
レニーの最期はかなり泣かせる名場面だけど、煉獄さんを彷彿とさせた。
(死の間際一撃仕掛けるが撤退されてしまう、でも全員守り切り責務を全う、弟子に道を示し想い託し、主人公が意志を受け継ぐ)

【悪い点】
個々のドラマは良質だが、縦軸となるストーリーの背景が不明瞭でやや地味。
D2やムジカートの秘密とか、敵の陰謀とか、ある程度開示はされるが、本筋の盛り上がりにはあまり繋がらず。
敵のキャラ付けとバックボーンが浅く小物に見えるのもネック。

世界観を魅力的に肉付けするような寄り道エピソードが薄かったのも原因か。
良作ではあるが1クールの限界。

回想の入り方が若干わかりにくいシーンが散見。

主人公ヒロインのドラマは丁寧ではあるが、地味。
双方あまり感情出すタイプではないためか、対話が足りていない。
タクトは自身が抱える課題に忙しく、運命ちゃんも内面があまり語られない。
「ガサラキ」のユウシロウとミハルみたいな?ガサラキも良作だが地味だったし。
ドラマチック度では巨人組の方が印象的だった。

戦闘シーン自体は素晴らしいが、各ムジカートの司るクラシックならではの要素は地味だった。
ここをクラシックに疎い視聴者にもシンクロして見せてくれれば一段評価上げた。

総じて間違いなく良作なんだけど、各要素少しずつ物足りない感じ。

【総合評価】8~7点
ゲーム原作で主人公ヒロインが組んでバトルする系アニメの中ではかなり良作だった。
若干物足りなさはあるが、総合的に見て申し分なし。
評価は良い寄りの「とても良い」

投稿 : 2022/05/14
閲覧 : 281
サンキュー:

17

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