えたんだーる さんの感想・評価
4.7
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
いろいろ嚙み合って最強なラブコメ
ヤングガンガン掲載の漫画原作からのアニメ化作品です。
アニメ化前からタイトルはたびたび耳にしていたと思うのですが、原作を読み始めたのはアニメを3話くらい観た後ですね。ハマって原作は買いそろえてしまいましたが…。
とりあえずOP/EDともに主題歌はとても本編にマッチしていて素晴らしいと思います。キャスティングもキャラにマッチしていると個人的には思います。
本作は主にコスプレをメインテーマにストーリーが展開していきます。
雛人形の顔を作る「頭師(かしらし)」と呼ばれる職人をやっている祖父に育てられ、自身もそれを目指している五条くん。職人になることばかり考えて学校での友達も作らない、そんな彼が喜多川さんに出会うことでコスプレ衣装作りに目覚めてしまいます。
ニチアサアニメから18禁ギャルゲーまで、とにかく自身がカワイイと思うキャラを愛でてその愛からコスプレまでしようとする海夢(まりん)ちゃん。自身ではショボい衣装しか作れなかった彼女がごじょーくんと出会うことでコスプレへの欲求がさらに高まっていきます。
本作はこの二人のどちらもが主人公であると言え、また作中でそれぞれについて割かれるストーリー上のバランスが非常に拮抗しています。
ラブコメ作品で「誰と誰がくっつくか」みたいなところを軸に置いてしまうとある意味「答えが出たらおしまい」という話になってしまうのですが、本作では二人のそれぞれが情熱を持てる対象を持っていて、お互いがその情熱を高める上で必要な存在となっていることでストーリーにアクセントがつくようにできています。
また、相手への想いの出発点が敬意に端を発していますし二人以外のキャラについても、人間関係の根幹に敬意が見て取れるのでとても観ていて気持ちの良い作品です。
なお、原作もアニメの成功で売り上げを伸ばしたみたいです。
余談:
コスプレがテーマと言えば『コンプレックス・エイジ』というとても好きな漫画があるのですが、こちらは主人公は派遣OLで「加齢によるコスプレからの卒業」みたいな重たいテーマが垣間見える作品になっています。
でも、好き嫌いとは別に「自分に似合わないキャラのコスプレはキャラを汚す」みたいな精神は両作品で共通している気がします。