セシウス さんの感想・評価
3.5
物語 : 2.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
泣きアニメ(登場人物が)
原作マンガは最初の部分だけWEBで読んだことがあります。 童話かキッズ向けのような絵柄ですが、内容は少年誌の冒険モノって感じですね。
聾唖で虚弱な王子である主人公が父親の死後王様の座を弟に奪われて一念発起して旅に出る、というお話です。新王一派から見ると邪魔な存在ですから旅先で命を狙われますが仲間に助けられ師匠と出会って強くなります。ここまでは見慣れた王道ストーリーですが、この作品はキャラクターに意外性があって、通常一番立派な人格を持っているはずのポジションのキャラが作中ダントツのクズでバカです。そのせいで王道ストーリーでは主人公の敵役になるポジションのキャラたちが正義や慈愛のキャラクターになっていておもしろいです。
ただそうなると物語が、「強くて権力を持っているキャラがバカなせいで家族や部下や隣の国にまで大迷惑をかけた」というしようもない話になってしまっていて感動が今一つでした。それをカバーするためなのか作中やたら涙を流すシーンが多いです。主人公と相棒の魔物は子供キャラなので泣き虫でもそんなに違和感はありませんが、大人たちまでやたらとよく泣きます。多分23話全てで複数キャラの落涙シーンが描かれていたのではないでしょうか。明らかにやりすぎで安っぽすぎです。
声優さんたちは皆役にあっていて上手だったと思います。主人公役の人も難しかったと思いますが良かったです。
作画は、WEB漫画の絵柄に沿いつつ上手くアニメ画にしてあって良かったです。バトルシーンはとても迫力がありました。巨人族と主人公の大きさの対比がマチマチでしたが原作がそういう仕様なのでしょうかね。
音楽は良く出来ていたと思います。特に一期目のOPとEDはいかにも王道ファンタジーって感じでよかったです。
テンプレと見せかけて実は違うというキャラの見せ方は面白かったのですが全体を通しての感動は今一つでした。もう少しシナリオと演出を工夫すればよかったのに、ともったいなさを感じた作品でした。