シボ さんの感想・評価
4.8
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
誰かを想う気持ちって良いですね。
タイトルと挿絵から海辺の学校を舞台にした青春ラブストーリー
なのかな?って思いつつ視聴を始めました。
始まりからこれぞアニメって感じのファンタジー設定。
ちょっと不思議な世界観、生き生きとした元気なキャラ達にすぐに
魅了されました。
海の人々と地上の人々、敵対するグループ内での禁断の恋。
ウエストサイドストーリーのような古くからあるような設定とか思い出すけど色々と障害のある恋ってやっぱり燃えますよね~。
まなか達が地上から海に帰るシーンが印象的で
服を着たまま躊躇なく海に飛び込む姿がなんか潔くて観てて気持ちいい!
地上での青空、星空はもちろん綺麗だけど
海底から見上げる揺れる青空、星空は趣が少し違ってそのあまりの美しい描写に目を奪われます。
そんな美しい舞台だけど
こんなにも少ないコミニティで彼らの恋の相関図がヤバいことになってて
矢印あちこち交差しまくってて・・・
それが、いつでもすれ違ってなんとも切ないんです。
好きな人のことはいつも目で追っているせいもあって本人以上に
気持ちを良くわかっちゃうんですよね。
好きだって気持ちが抑えきれない。
けれど今までの関係を壊したくない、変わりたくない。
光のまなかへの告白。
「大切なのは絶対変わらない」
「お舟引き終わったら言うね・・・」
前半のクライマックスお舟引き。
あの耳に残るようなインパクトある歌。
まさかの衝撃展開に心のざわざわが止まりませんでした。
たくさんの人達を引き裂いた
衝撃のお舟引きから5年、決して短くない月日が経過した世界。
この切ない物語は後編からがある意味始まりでした。
紡と共に地上に残されたちさき。
寂しさを抱えながらも成長し
大人になったちさきは本当に魅力的な女性になって素敵なんです!
ちさきの天然なところや紡との恋の行方がまどろっこしくも
印象的でその可愛らしい団地妻!?に何度となくドキドキさせられちゃいました><!。
冬眠から目覚めたばかりの光や要が帰ってきたけど
いつだって元気一杯だったまなかがいない世界。
序盤での地上と海だった対立軸だけでなく時の流れまでもが彼らから
「変わらない」を奪おうとする切ない展開。
後半のOP「ebb and flow」はその物悲しい曲調と降りしきるぬくみ雪の中
時間の不条理を感じずにはいられない彼らのうつむく姿。
こんな演出、オープニングだけでホント何度泣かせるんだよ~~><!
「いつも見ていた・・
近いようで遠くて・・・
いつだって・・届かない・・・・・・・・・・・・・」
ただの生意気な小学生だった、美海、さゆまでもが、この切ない恋模様に加わって、もう誰の恋を応援したら良いの!?ってなっちゃいます。
後半のヒロインは美海になるんですかね。
いなくなった光を5年も変わらず想い続けてた美海。
(光の中ではついこの間までの幼い美海だっただろうし)
報われないだろう恋を想像出来てしまう彼女はやっぱり切ない。
やっと見つかったけど冬眠から目を覚ますことのない まなか。
光への想いから自分の嫌な気持ちに苦しむ美海。
そんな美海の気持ちを察して励ます紡。
子供の頃からどこか大人びてて、いつも少々言葉は足りないけど
実は優しくて熱いものを秘めた良いやつなんだ~これが。
そして美海が光に眠りの森の姫のようにキスを促す最中での突然のまなかの
目覚め。
「ヒ~くん、女の子そんなに怒っちゃダメだよっ!」
花澤さんの声、待たされた分もあるけど、
やっぱり凄いっインパクト(笑い)!!
後半のED やなぎなぎさんの「三つ葉の結びめ」は、その曲の始まりが
各回の不穏な終わりのシーンと一体となっている感じがして、いつも
心がざわざわしながら聴いてました!
特にまなかが失った物(人を好きになる心)が明かされる回のエンディングは心乱されました~~><!
終盤は誰もが自分の気持ちを抑えて
相手の幸せを願い行動する姿が本当に多かったな~。
誰かが結ばれるということは、必ず報われない気持ちもあります。
この作品は出てくる子達みんながとても良い子過ぎて・・。
みんなが幸せになって欲しいって本当に思ってしまって
そしてそんな色々な想いがごちゃこちゃに押し寄せてきてしまって
いつも以上に何を書いてるのか全くまとまらない・・・・。
そんなまとまらない自分の感想とは違って
ハラハラさせられたこのドラマのラストは
神秘的なお舟引きをクライマックスに
交差する想いを本当に綺麗にまとめてくれてたと思います。
優しい彼らにとって
誰かを想う気持ちは、その誰かの気持ちを大切に守ろうとする事と一緒なんですよね。
ちょっと心が疲れるけどもう一回見直したくなるくらい
素晴らしい作品でした。
最後に大きく成長した美海が幸せになるその後を願って。
追記というか・・・
疲れるって言ったのにまた振り返りたくて前半部
すぐに見直しちゃいました。汗
2回目を観て改めてこの作品大好きだな~って
最初複雑だよなって思ってた恋の相関関係が整理されて、より彼らの気持ち
が伝わってくるんです。
5年前のあの頃、まっすぐにまなかを想い続ける光の姿。
自分の心に戸惑いながらも光を追ってしまってたちさき
そしていつまでも変わらない、ずっと一緒を望んで・・・。
輪にいるのに心が見えてしまってどこか寂し気だけどちさきへの想いは
最初からぶれない要。
察しが良くて、冷静にそして本心を語らせちゃう紡。
そして1回目に観ててもあまり感じなかった
美海とさゆの心の動き、あの時感じてた想いがより鮮明に伝わってきて
彼女達のその時の精一杯が凄い泣けちゃうんです><!
これは後半もまた観ちゃいますね><!