螺旋常連からくり剣豪 さんの感想・評価
2.8
物語 : 1.0
作画 : 2.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 1.0
状態:観終わった
ご都合主義を否定するためにご都合主義を使ってしまった末路
2時間、全4話構成というやや特殊な構成のラストシーズン。
正直なところ全部通しての完成度は微妙な部類です。駆け足気味な展開とキャラの扱いが雑過ぎて、一応終わったのは良いもののもやもやしました。
主題歌は文句無し、話の落とし所も悪くなかったです。1話は10章の回想部分をほぼ再現していましたし、ソシャゲ本家で叩かれていた環いろはの歪な理想主義を否定する展開は自然にストーリーに落とし込めており、いろはのそんな考え方と食い違った価値観を持つ黒江を救えなかったという展開は素直に好きと言えます。
ただ、いろはの立ち直り方雑じゃないですか。みかづき荘の面々にちょっと声掛けられただけでいろは即復帰とか。いろはが鋼のメンタルの持ち主だとしても少々ご都合主義でした。
アリナやももこ、マミさんの扱いも悲惨。特にマミさんソシャゲで叩かれていた以上に酷い末路なんですが。ホーリー化して軽くぶっ飛ばされた後フェードアウトですよ。しかもソシャゲと違い見滝原組全滅。散々マギウスに利用された挙句これとかマミさん浮かばれませんよ。
アリナはソシャゲでもイカれた死生観の持ち主であり、元から自分の描くディストピアに全部を引きずり込もうとする迷惑キャラですが、アニメだと背景が不明だからぽっと出の変なラスボスに。ちなみに全人類魔法少女化してえ、ってのはアニメオリジナルです。
ももこは出番無さ過ぎでアニメ勢には感情移入不能だと思います。
しかもキャラを無駄に殺し過ぎ。本家オマージュと考えても舐めてんの?って思います。あちらはそれぞれのキャラクターの願いや想いが交錯し、それらを私欲に塗れたキュウべぇによって理不尽に手玉に取られ、翻弄された末路という点で何杯でもご飯が食べられる濃密な描写だったのですが、こっちは安易に泣かせたいから殺しましたって感じがして好きじゃないです。
作画は今までのアニレコと比べても微妙。キャラの顔の崩れ方半端無いです。戦闘描写もこの章は控えめで特筆することは無いです。
とどめは中途半端にナルトみたいな展開でいきなりドッペルを懐柔し、謎パワーで勝ちましたというソシャゲのストーリーに負けず劣らずのご都合主義……。
結局ご都合主義を潰すためにご都合主義を使ってしまっているので、バッドエンドにしたいがためにここまで改変しなくても良かったと思うんですよね。
わたしとしてはソシャゲの方がまだ綺麗に纏まっていて好みでした。