nyaro さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
ツンデレとは何か。くぎゅうのことだ。ゼロ年代を代表するラブコメです。
さて、ラブコメではありますが、ゼロ年代ラブコメという言い方がいいでしょうね。ハーレムものの要素もありますけど、いろんな思惑が錯綜して好き嫌いが単純ではありません。タイミングや事件によって想いが変わってゆきます。
その大きな要素がまさに大河のツンデレなわけですが、実乃梨や亜美といったサブヒロインたちの想いも絡まって「ラブコメ」の「ラブ」ストーリーの部分をきちんと描いていました。
誰エンドかはゼロ年代ラブコメは油断できません。訳の分からないサブキャラエンドが良くあります。本作は比較的その点では安心して見られますが、気持ちは通じ合ってもバッドエンドの可能性が捨てられませんからね。その点では最後までドキドキしながら見ていました。
「コメ」の方はちょっとパロディが多くて時代性があるのが若干辛いところです。そして大河の暴れ方や実乃梨のキャラの過剰性が20年代では通じない可能性はあります。私はゼロ年代アニメ、それもラノベ原作は好きなのでもちろん本作は受け入れられますし、かなり面白かったです。
雰囲気的には「ラブ」も「コメ」も「ハヤテのごとく」に非常に近い気がします。で、そのハヤテのごとく同様、ヒロインの声優、くぎゅうですね。
ツンデレの定義は(オタク界の)超メジャータイトルである、本作、ハヤテ、ゼロ使い、シャナなど、非常に気が強いヒロインたちが物語の経過とともに主人公に心を開いて行くという釘宮理恵さんが演じたキャラたちが代表だと思います。
逆に言えばこれらの釘宮理恵さん演じる魅力的な強気キャラたちがいなければツンデレという概念は今ほど広まらなかったかもしれません。その中でも恋愛に主眼を置いた本作はまさに日本アニメの「ツンデレ」代表作と言えるでしょう。
私はどうもサブキャラ萌え体質のようで川島亜美ちゃんが一番好きなんですけど、やっぱり報われない…というか主人公ラブになったのかも怪しかったですね。主人公の事は認めたけど、関係性が好きなだけであって、恋愛ではなかった感じですね。ハルヒの鶴屋さんと朝倉さんを足したような感じ…つまり魅力的なおせっかい焼きの傍観者でした。
本作で唯一気に入らないのが主人公の過剰な思い込みで文化祭の回の大河の父親の件は本当にイライラしました。結果としてなぜそこまで過剰な家族愛にこだわるのかはわかりますが、それにしてもあそこは本気で嫌でしたね。
そして主人公のキャラが非常に「僕は友達が少ない」と類似していました。年代的にはこちらの方が先ですね。生徒会長のキャラも非常に良く似ていたので影響を与えたのでしょう。
ストーリーはイベントごとに関係性が進展してゆく感じで構成がしっかりできていました。今時の尻切れトンボと違いしっかり結末があるので非常に満足度が高かったです。
ああ、一つの物語を見終えたなあ、ということで記憶に残ります。これが最近のアニメに足りない部分かなあと。結末がない物語は心に残りません。
OPのアニメがちゃんとOP用のオリジナル原画で映像やロゴの感じと、音楽の電波な感じが非常にゼロ年代ぽくて良かったです。
総評するとラブコメとしては非常に真摯にラブを描いていました。ストーリーは思惑が錯綜するドキドキ感が本当に面白かったです。最後に結末がありましたし、構成も良くて25話かけてツンデレのプロセスを描き切りました。
作画もいいし、キャラの性格付けも個性的でデザインも魅力的でした。
ゼロ年代を代表するツンデレラブコメと言っていいでしょう。