cross さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.0
作画 : 3.5
声優 : 3.0
音楽 : 4.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
この13話は序章に過ぎないのだが、多くの要素を楽しめた作品。【総合評価:69点】
2012年冬に12話、後にOVA1話の全13話で放送された作品。
まず視聴前に自分はこの作品を妖怪物の作品だと思っていたのですが、実は違っていました。
まぁ、最初にその点に触れて簡単に説明をしておこうと思います。
登場人物たちは『妖怪』と言う部類ではありません。
先祖返りと呼ばれる過去に妖怪と交わった先祖が要る家系に、その妖怪の血を濃く受け継いで生まれてくる者
作中では先祖返りと呼称される人間で妖怪とは違い、寧ろ、妖怪に狙われる側にあります。
そして、先祖返りの結構重要な設定は語られるも、アニメ12話の中ではそれが生きてきません。
作中で何度か出る、メインキャラの白鬼院凜々蝶の語りも作中では生きてこない。
結構興味をそそられる設定と意味深な語りだっただけに、生きてこないのが残念でした。
そして、主な舞台となる、メゾン・ド・章樫(以降は妖館と記述)と言う、一世帯につき一人のSS(シークレットサービス)がつく高級マンション
その実態は先祖返りが純血の妖怪に狙われないよう身を寄せ合って助け合うシステムの一つ
とは言え、SS達も先祖返りである事には変わりませんが、作中では語られませんでしたが、どうやら元々は人間を襲うなどの凶暴性を持つ妖怪の先祖返り達が勤めているようです。
登場人物たちは、デザインにはちゃんと特徴を持たせつつ目に優しい可愛らしいデザイン、それでいて違和感も感じさせない。
全員それぞれに大きな特徴を持っていて、それぞれにちゃんとした背景を持たせていてとても良い味を出していましたね。
そんな特徴的な登場人物たちが織り成す、明るく賑やかな日常を描き、ラブコメ的要素もある物語
大まかには特徴的なキャラを活かしたコメディ色の強い作品でありました。
そして、メインキャラの白鬼院凜々蝶の特徴として、心にもない悪態をついてしまい、悪態をついた後に必ず落ち込む。
ツンデレではなくツンしゅんと言われる斬新な特徴を持っています。
そんな性格から、人付き合いが苦手な凜々蝶が妖館の住人との生活を通し、徐々に心の触れ合いを行い、徐々に他者との付き合い方を知っていく。
と言った、ハートフルな展開も用意されていてます。
更には、あまり描かれてはいませんが、先祖返り達が、まぁ妖怪に近い状態に変化しての戦闘シーン!!
続いてOPとEDもまた魅力たっぷり。
OPの「ニルヴァーナ」 は楽曲として個人的に好きで、かなり演出にも力が入っていて、目でも耳でも楽しめる。
EDは、最近では珍しくないもののキャラソンを複数としています。
御狐神双熾の「楽園のPhotograph」
白鬼院凜々蝶の「君は」
渡狸卍里と夏目残夏の「one way」
青鬼院蜻蛉の「SM判定フォーラム」
髏々宮カルタの「sweets parade」
反ノ塚連勝と雪小路野ばらの「太陽と月」
と豪華にも6曲も用意されていました。
どれも上手くキャラクターの特徴を現せているので、毎度、今回のEDは?と楽しませてもらえました。
と言った感じで様々な要素で楽しませて貰えた、とても良い作品でした。
ですので、未視聴の方、一度視聴してみて下さい。
ここからは予断ですが、まぁ知り合いが原作を持っていたので、それを読んでみると……
基本アニメで描かれていたのは、ハートフルやらコメディやらラブコメやら明るい展開に終始
ですが、実はこのアニメで描かれていた所は序章に過ぎず、アニメのその後が寧ろこの物語の本番です。
アニメでは生きてこなかった先祖返りの設定と凜々蝶の語りの真意が存分に生かされてきます。
若干、欝な暗い展開にはなって来ますが、先祖返りの設定やらを上手く扱った、重厚なストーリーへとシフトしていきます。
ですので、ここからが本番の第二期を期待したいです!!