セシウス さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 5.0
音楽 : 4.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
落語とジャズ♪
原作マンガは未読です。2期25話見ての感想です。
落語家たちのヒューマンドラマを描いた作品です。主人公が子供時代落語家に弟子入りしてから一流の落語家になり、死後後継者たちが活躍しはじめるまで、ざっと70年間くらいにわたる長~いお話です。時代の変遷・落語の盛衰とともに登場人物たちがそれぞれの人生を送る姿を丁寧に描いたストーリーです。一つ一つのシーンで感動するというよりは全部見終わったあと感慨にふけるタイプのお話だったと思います。
主人公はとても内面が複雑な人物で、子供時代から老人になって死ぬ直前までいつも何かに葛藤しています。しかし生真面目で実直な人物なので周囲の人間から信頼を集めていていつも場の中心に嫌々据えられてしまうキャラです。周囲のキャラクターたちもとても魅力的で印象強いキャラが多いです。
演じた声優さん達は実に凄かったです。落語のシーンがたくさんあるのですが本物よりもむしろ聞き取りやすく感じるくらい(レコーディング環境に差があるとはいえ)です。落語家以外のキャラクターも皆役にはまっていて良かったです。
作画は良かったです。落語シーンの落語家の目線などは画面切り替えをうまく使ってよりわかりやすくなっていたと思います。また舞台の中心となる雨竹亭という寄席や戦前や終戦直後の都内など綺麗に描かれていたと思います。
音楽は素晴らしかったです。落語で盛り上がるシーンにジャズがBGMでかかるのですが、意外なくらい雰囲気にあっていてびっくりしました。EDも一期二期どちらもとても良かったです。
落語は場の空気感が今ひとつ苦手なので実際に見に行こうとは思いませんが、この作品を見て日本語の良さをなんとなく再認識できたような気がしました。あと戦争時代も描かれる人間ドラマとしては、戦争の悲惨さがほとんど強調されずあくまで落語が話しの中心になっている点は良かったと思いました。