「劇場版『RE:cycle of the PENGUINDRUM』[前編]君の列車は生存戦略(アニメ映画)」

総合得点
72.1
感想・評価
26
棚に入れた
161
ランキング
1209
★★★★☆ 3.8 (26)
物語
3.8
作画
3.8
声優
3.7
音楽
3.9
キャラ
3.9

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ネタバレ

テナ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

きっと何者にもなれないお前たちに告げる

懐かしいアニメの劇場版です。
当時、テレビ放送していた頃に凄く好きな作品でした。
ピングドラムは時に???と解りにくい演出もあったりしますが、それ以上にこの作品の独特な世界観が新鮮で面白くて好きでした。

さて、劇場版は前編、後編に別れています。
最初は知りませんでしたが、よく考えてみると…この作品を語るには映画1作では時間が足りないなぁ〜と、当然というと当然ですねw

作品全体としては総集編です。
しかし、この劇場版での目的は「運命の乗り換え」にあります。
乗り換えるのは、幼き頃の高倉冠葉と高倉晶馬です。
劇場版では、何者かわからない彼らが、アニメで言う1話の時系列に迷い込み、そこでベビーペンギンに導かれます。

そこにいたのは、例のペンギンの帽子を被った高倉陽鞠ではなく、桃果。
アニメでは桃果は終盤のですが劇場版は初っ端から来ましたね。

そこで、彼らは未来が描かれた本を渡され読むことになる。
未来で何が起きるのか…この場合は起きたのかが正しいでしょうか?
そうして、彼らが知ることになる未来をアニメで言う総集編?みたいな形で描かれます。

恐らく、乗り換えとはアニメで迎えたあのENDをひっくり返す事なのでしょうけど…
途中、何者かに桃果が襲われ、ベビーペンギンが乗っ取られます。
恐らく乗り換えをする事で都合が悪くなる者がいるのでしょうね…

さて、大まかな内容は総集編です。
この作品は家族愛が素敵ですね。
病弱な妹、高倉陽鞠は兄の高倉冠葉と高倉晶馬に凄く大切にされています。

彼らは家族です。
この世で、たった3人の家族…
そんな緋鞠の命を繋ぐ為ならならなんだってする。
冠葉はそう言っていました。
彼は実は妹に家族愛以上の愛を感じていました。
冠葉恋愛被害者の会なんて言うのが立ち上げられるくらいにはモテていた彼ですが、多分彼は色々な女性と付き合う事で自分の気持ちを紛らわそうとした、でも出来なかった。

ん〜現実問題だとどうなんでしょう?
血の繋がった家族を一人の男として一人の女として愛せるでしょうか?
仲がいいレベルはあるし、義妹とかならありえそうな気もするような?
その辺は経験ないので上手く掛けませんが…

でも、恋って落ちるものなので、好きになった人がその立場なら仕方ないのかもしれませんね。
ただ、私に解るのは、どんな気持ちでも相手を思う気持ちは素敵だと思います。


逆にやる過ぎの気持ちが荻野目苹果…荻野目桃果の妹です。
彼女のストーカーレベルはパないですね。
床下から盗聴するは、床下に住み始めて一緒に暮らしてる発言はヤバイです…
ストーカー怖っww

彼女の担当は高倉晶馬
彼は優しいですね。
荻野目苹果の最大の間違えとはなんでしょうか?
ストーカーは違います。
あれは人として間違えてますw

彼女が荻野目苹果だから間違えたのは……荻野目桃果になろうとした事。

苹果が産まれた日…ある事件で桃果が死にます。
母は言います。
「娘を忘れないであげるのが親の勤めだと」

父は言います。
「誕生日がいつまでもカレーの日桃果が可哀想だろ」

これって難しい……
桃果の命日は苹果の誕生日です。
笑ってお祝いしてあげるのが正しいし、父は桃果をしっかり見てあげたいのでしょうね。
苹果を祝って笑うのは桃果を忘れた訳じゃない…でも、お母さんの言い分も正しくて、そんな簡単に割り切れないって感じるし、桃果の命日に笑うなんて出来ないんだと思う……

だから、どちらも正しく感じてしまいます。
でも、私が桃果かなら…自分の死をいつまでも引きずられるのは悲しいかな……生きてる人を見てあげて欲しいって思うかもしれません。

苹果は両親の言い争いを聞いて……私が桃果になればいいと言います。
桃果が好きな事を好きになり、桃果が好きな人を好きになる。

でも、晶馬は「それはおかしいよ!」と言います。
うん、おかしいですよね。

だって、誰かの変わりなんて誰にも出来ないし、第1に苹果の気持ちは?
自分の気持ちなどうなるの?
万が一、桃果になれたとして苹果は?
苹果が居なくなったら結局、何も変わらない。

両親が言い争うのは、桃果が居ないからじゃなくて、家族4人で居られないからです。
桃果が居ても苹果が居なければ、2人は言い争うでしょう……だから、晶馬はおかしいと言うのです。

ペンギン帽子の言う「何者にもなれないお前達」ってのはそう言う意味かな?と思ったりもしました。

晶馬は少し頼りないですが、間違えた事を間違えだと言える凄く優しくて正しい子だと思います。
だから、苹果は彼に少しづつ惹かれていった。

高倉陽鞠

彼女はお母さんとのエピソードが印象に残りました。
お揃いのリボンでオーディションの撮影をしよう。
しかし、品切れでお揃いのリボンを買えなかった。
代わりに色の近いリボンを買って来てくれるも、彼女は母に八つ当たりをします。

「こんなの違う!お揃いのリボンじゃなきゃ意味がない!今すぐ買ってきて!」
品切れじゃ仕方ないじゃんって思う……けど、子供にしたら品切れなんて関係なくて納得出来なくて……約束だから守りたくて約束してる手前、友達に無理でしたとも言えなくて、ついつい無理を言ってしまう。
割と誰でも経験あるのではないでしょうか?

そんな、陽鞠が暴れて姿見に身体が当たり鏡が緋鞠に落ちてくる。
それを身を呈して守ってくれたのは母でした。
母の身体は鏡の破片が刺さり顔の傷は一生物になってしまいました。
それでも、緋鞠に「緋鞠?怪我はなかったのね。よかったわ、緋鞠はアイドルになるんだもんね」ってセリフは凄く優しく見えました。

母は緋鞠を守っただけではなくて夢も守ってくれたのです。
翌日の撮影では、緋鞠は撮影しないと言いだします。
だから、2人で撮ってと。

でも、2人は撮影は辞めて緋鞠の母の為に何かしようと言い出します。
撮影よりも友達の母が早く元気になるようにと…
ホッコリエピソードではありませんか‪(͒ ⸝⸝•̥𖥦•̥⸝⸝)‬

母の為に鯉の新鮮な生き血をなんて泣かせるではないで……生き血!!=͟͟͞͞(꒪ᗜ꒪ ‧̣̥̇)
CHAOSですね(*꒪꒫꒪)
子供の可愛さと残酷さを見てしまいました。

さて、前編は簡単に書いて見ましたが、続きは後半ですね。
後半は、未来が乗り換えられるかどうかになるので、乗り換えた未来が、どう変わるのか、黒幕が誰なのかが鍵になってきそうですね。

緋鞠のペンギン帽子は「きっと何者になれないお前たちに告げる」でしたが、桃果のペンギン帽子は「きっと何者かになれるお前たちに告げる」と叫んでいたので、きっと2人には何か未来を変える可能性があるんでしょうね。
まだ、未来の描かれた本を読んでるだけですが、ここからどう動くのか……どう変わるのか。

後、今回の劇場版は映画が良かったですね。
私達の済む現実世界の風景にキャラを上手く溶け込ましている演出がよかったです!
全然違和感なく見えて驚きましたw

後半も楽しみです⸜(* ॑꒳ ॑* )⸝

投稿 : 2022/05/01
閲覧 : 390
サンキュー:

7

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