薄雪草 さんの感想・評価
4.3
物語 : 3.5
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
ようやく気づいた○路のヒミツ。
明日小路は、12歳の女の子。
お家は田舎の瀟洒な一軒家。
家族は、多忙で不在がちな父、洋裁を生業とする母、しっかり者の妹と暮らしてる。
過疎の小学校をひとりきりで卒業し、中学では友だちづくりに興味津々。
母が通った歴史ある名門女子学園に進むことを決めている。
理由はただ一つ。
セーラー服すがたへの憧れ。
ところが、時代はくだってブレザー制服。
ユニホームの違いは目立つこと請け合いなのですが・・・。
思いを定めた旬なる心気に、洒落っ気たっぷりに応える学園も大度量をみせます。
いよいよトモダチオーラも準備は万端。
小路の気分は、夢満開にブレイク寸前です。
桜の校門をくぐる胸中に芽生えるワクワクな期待感。
教室のドアにかける指もふるえるドキドキな高揚感。
隣り合う席と教室とに満たされていく不思議な陶酔感。
入学式の初日。
母校はブレザーでも、小路ちゃんの気持ちと同じでした。
~ ~ ~
・・・と、いわゆるあらゆる意味で、たまぎる "無菌室設定"。
雑菌の侵入は、もとよりシャットアウトなんですね。
生まれたてピヨピヨだから、エロティシズムは皆無。
匂い立つフェティシズムでさえ、寸止めぎりぎり。
ところが妄想カットのチラリズムは、むしろあけすけ。
ぴちぴちに弾ける少女性を寸分なく入れ込みました、みたいな秘計の連続攻撃にタジタジだったのではございませんか?
でも、間違ってはいけません。
この "まな板の上の鯉" のような調理法は、セーラー服の "中身" を受け止めてくれるトモダチに向けてってこと。
誰かへの恋しさへ移り変わる、ちょっと前の "好き"。
ステディな愛おしさを感じる、ほんの少し前の "好き"。
つい名を秘す前に訪れる、未だ無垢なままの "好き"。
そうした "好き" が、無菌なままに届けられてるってことなのです。
~ ~ ~
とは言え、初見は「新種の色モノ?」と感じたのは正直なところ。
キャラ造形がすごく独創的で、「このデザインの方向性は何だろう?」と思いました。
よくよく見ていたら、特に顎のラインがくっきりしているのに目が留まりました。
これは "胸鎮乳突筋(きょうさにゅうとつきん)" のことですね。
首を横に傾けると、耳の後ろから鎖骨の上にかけてつっ張るような感覚で実感できる筋肉です。
ほぐしたり、ストレッチしたりしてシャープなフェイスラインが獲得できるということで、美顔の追求には、つとに有名です。
背中の「僧帽筋」や「菱形筋」を鍛えるのも効果的。
それに気づいてからは、いつもそこばかりに目が行ってしまいました。
いえ、以前から知ってはいたのです。
知ってはいたのですが、元気いっぱいの小路ちゃんを見ていて、いささか気持ちが苦しくなる理由にようやく行き当たりました。
彼女たちのみずみずしさにあてられたというよりも、首周りのくたびれ感に気が滅入ってしまうことにあったらしく・・・。
つまり、わたし自身が "旧種の色モノ" ってこと。
今さら気づいた○○路のヒミツ。
粗相にて、「小路ちゃん」をご重覧くださいませ・・・ね。