saitama さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
マニアな大人が観ると面白い、そして子供はまったく楽しめない興行失敗作
タイトル通り。
この作品はクレヨンしんちゃん劇場版で最下位の興行成績。
うーん、正直な感想から言うと、まずストーリーはない。
というか意味はない。
丹波哲郎ありきのストーリーで、途中は明らかにゴジラ。
皆が「シン・ゴジラ」の元ネタというのもわかる。
自衛隊の行動や車両の動き、ロボットの動き等々、
その部分においてはシン・ゴジラよりこっちの方が出来がいい。
そしておまけの短編映画。
これは更に意味がない。
これを観ると水島監督のミュージカル好きと当時からミュージカルセンス無いのがよく分かる。
とまあ、批判はするけれど、
大人の視点で観るとかなり面白い。
細かいところまでとことん拘っている。
結局のところ、このプロットならばクレヨンしんちゃんじゃなくても良かったわけで、
ゴジラシリーズを知る世代の大人が楽しめるノリが満載。
しかも1954年と1965年のゴジラなんて、
1999年当時にオリジナル観たことある人なんてまずいない。
一部大学の研究会なら8ミリから違法ダビングしたのを持っていたかもしれないが。
だから、この作品が過去最低興行成績だったのはすごく納得がいく。
だってメインターゲットのはずの子供は、まずストーリーの意味がわからないからつまらない。
ギャグなんてなく、意味のないミュージカルなオマケの短編なんてもっとつまらない。
連れて行った大人にしても、ロボット(怪獣)の動きの細かさや、
自衛隊の動きの細かさなんて知らないし興味もない。
なにより1954年ゴジラや1965年怪獣大戦争なんて観てない。
だから元ネタがなにひとつわからない。
多分、EDの「いい湯だな」だけ聞けばわかるが、
ドリフバージョンじゃないから、なんだかな…だろう。
失敗すべくして失敗した作品。
でも監督の才能は間違いなく凄いことを関係者には示した作品だと思う。
「シン・ゴジラ」観た人が観ると面白いのはたしか。
ぶっちゃけ「シン・ゴジラ」より良い演出がある。そこはアニメの強み。